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2019年1月21日

乗用8社昨年販売、中国は3社が過去最高 米は3社がプラス

乗用車メーカー8社の2018年日米中新車販売台数は、米国でスバルが、中国で日産自動車、トヨタ自動車、三菱自動車が過去最高だった。米国と中国ともに前年実績を上回ったのは三菱自のみで、ホンダはメキシコでの洪水被害など一時的要因が重なり、両国とも前年実績を下回った。国内景気、通商政策、市場の変調などを背景に、日系メーカーでも明暗が分かれた形だ。世界2大市場である米中の19年新車販売台数はいずれも減少する見通し。中国は景気減速と消費者心理の冷え込みに加え、一定割合の新エネルギー車(NEV)の生産・販売を義務付ける新規制も始まる。各社は販売と収益の両面での成長への難しい舵取りを迫られそうだ。

中国の18年総需要は1990年以来28年ぶりの減少に転じた。17年末に終了した小型車販売の減税措置終了に伴う反動減や国内景気の減速などを背景に18年7月から6カ月連続で減少した。米国との貿易摩擦も影響した。乗用車販売台数は、日系と独系が前年実績を上回ったが、中国系と米国系が落ち込んだため前年比4・1%減(台数規模で約101万台減)となった。

日産とトヨタは6年連続で前年実績を上回った。日産は現地ブランドの「ヴェヌーシア」が同6・0%減だったが、日産ブランドの「シルフィ」「エクストレイル」「キャシュカイ」や小型商用車の好調な販売が全体をカバーした。トヨタは5年連続で100万台を超え、18年目標だった140万台も達成した。全面改良した「カムリ」をはじめ「カローラ」「レビン」「RAV4」のほか、輸入車関税引き下げの恩恵を受けたレクサスの販売が好調だった。三菱自は2年連続増で「アウトランダー」がけん引した。

ホンダは「CR―V」のリコール問題が影響して12年以来6年ぶりに減少した。一方で新型「アコード」や同「クライダー」「シビック」の販売が好調に推移したためマイナスは小幅だった。
マツダも、13年以来5年ぶりの減少だった。ただ、台数規模では、同社の統計開始以来過去3番目の水準となった。小型車販売の減税措置終了に伴う反動減で「マツダ3」と「CX―4」が伸び悩んだ。

米国の18年市場は、ほぼ横ばいで、セダン需要の減少とSUVやピックアップトラックなど大型車の販売比率が一層高まった。
日系乗用車メーカーで唯一、過去最高だったスバルは11年連続のプラス成長を維持した。17年8月に全面改良した「クロストレック(日本名XV)」が好調だった。マツダも「CX―5」などSUV系車種の販売増で、15年以来3年ぶりにプラスに転じた。三菱自は6年連続増だった。
トヨタはセダン系車種で伸び悩んだが、RAV4などSUVの販売増で微減に収めた。ホンダは米国向け車両を生産するメキシコ工場の洪水被害に伴う一時生産停止が、日産は販売店の在庫調整なども響いて前年実績を下回った。
日本は大型車を含む総需要が2年連続で500万台を超え、登録車の減少を好調な軽自動車がカバーした。乗用車メーカーではトヨタとスバルを除く6社がプラスだった。

◆12月、ホンダが中国で33%の大幅増
乗用車メーカー8社の2018年12月の日米中新車販売台数は、中国市場が6カ月連続の減少と需要が後退する中、ホンダが前年同月比33・8%増と大幅に販売を伸ばし同月として過去最高を記録した。新車効果と既存車種の販売好調に加え、「CR―V」がリコール問題の影響から脱却し販売が本格回復した。一方で、SUVや大型車の需要増などで前年同月実績を上回った米国では、スバルが新型車「アセント」と新型「フォレスター」の投入効果で全ての月を通じ過去最高を更新した。
米国ではトヨタとマツダを除く6社がプラスだった。スバルは11年12月から85カ月連続で増加した。日産は「セントラ」や「ローグ」などの販売が増え、4カ月ぶりのプラスに転じた。ホンダもアキュラブランドの新型「RDX」や「CR―V」などの販売増がけん引して4カ月ぶりに前年を上回った。国内は引き続き軽自動車市場が好調で、スズキ、ダイハツ工業、ホンダ、三菱自がプラスだった。

日刊自動車新聞1月17日掲載

開催日 2019年1月17日
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