2019年1月20日
新日鉄住金、鉄鋼素材のみで30%の軽量化 次世代車の構造コンセプト
新日鉄住金は、鉄による次世代自動車の構造コンセプト「NSafe―AutoConcept」を構築したと発表した。
鉄鋼素材のみの適用に限定して約30%の軽量化を達成した車体設計ソリューションで、衝突安全性も確保している。同社はこれを皮切りに顧客の開発や設計段階にまで踏み込んだ提案を重視し、軽量化ソリューションを中心に、燃費や電費性能から衝突安全性能、走行性能や音振動・静寂性能に至るまで、自動車全体の付加価値向上を目指す。
「鉄を極める」ことにこだわった車体設計ソリューションのNSafe―AutoConceptは、アルミを適用したオールアルミ車の質量に匹敵し、次世代車における鉄鋼素材の可能性を提案する。東京ビッグサイトで16~18日に開催される「オートモーティブワールド2019」の「EV・HEV駆動システム技術展」で初披露する。
このソリューションでは、引っ張り強度が2・0ギガパスカルまでのハイテン材などの素材を部品性能に応じて適正に選択し、部品を構成する板厚の低減や部品統合を図った。電動機付き車両のバッテリー構造に関しては、車体骨格の構造コンセプトを活かしつつ、耐食性と耐火性に優れた鉄製構造コンセプトを開発している。
同社の薄板事業部自動車鋼板営業部自動車材料企画室の江尻満室長は「従来は、ハイテン材など個々の商品提案に止まっていたが、今後はモジュール提案や部品提案を主体にしていきたい」とし、顧客の開発・設計段階にまで踏み込んだソリューション提案を重視する。同社は今後、「鉄を極める」一方で、グループの総合力で鉄を主体としたマルチマテリアル化にも取り組む方針だ。
日刊自動車新聞1月16日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 新日鐵住金㈱ |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | 新日鐵住金ホームページ 次世代自動車の構造コンセプト“NSafe®-AutoConcept”を構築 |