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自動車産業インフォメーション

2019年1月18日

環境省、PM排出規制、磨耗部品由来でも 早期に測定法確立

環境省は、タイヤやブレーキの磨耗によって発生する粉塵に含まれる粒子状物質(PM)の排出抑制に乗り出す。

粉塵中のPMの測定や試験の方法を確立した上で、排出規制の導入を図る。自動車から排出されるPMのうち、排ガス中のPMについてはフィルターの装着義務化などにより減少しているが、タイヤやブレーキなど磨耗部品に由来するPMは、まだ明確な環境基準がない。PMの排出量規制では、国際的に粒子の重量を測定する方法から、粒子数を測定する方向に強化されつつある。排ガス由来以外のPMについても早期に測定法を確立し、自動車業界に対応を促す。
自動車の排ガスに含まれるPMが対策の強化により減少する中で、ブレーキやタイヤの磨耗で生じるPMの排出割合は相対的に高まっている。このため、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)などでも、まずはブレーキ粉塵の排出特性を把握するとともに、粉塵の量を適切に評価できる測定法や試験サイクルについて検討している。

このため環境省も2018年夏、ブレーキ摩耗由来のPM測定法の検討に向けた調査に着手することを決め、現在、業務を委託する事業者を選定している。
今後、ブレーキが作動した状態や台上で接地したタイヤを回転させた状態で周辺の空気を吸い取ってPMの量を計測する「バキューム法」など、新たな試験・測定方法を確立を目指す。
また、排ガス中のPMはこれまで「排出質量」で規制されてきた。しかし、これでは測定精度の問題から規制値の大幅な引き下げが困難。また、人体に侵入しやすく健康への影響が懸念されている超微小PMは数値に反映されにくい。このため、欧州を中心に「排出個数」で粒子を規制する「PM規制」に移行する動きがみられる。
環境省では、こうした動きを見定めながら、自動車から排出されるPM全体の実態を把握・分析し、対策を講じる考えだ。

日刊自動車新聞1月15日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

環境省

対象者 自動車業界