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2019年1月11日

国交省、交通事故被害 重度後遺障害者支援療護施設を新設

国土交通省は、交通事故の被害者を救済する事業を拡充する。2019年度に重度後遺障害者のための療護施設を四国か南九州に新設し、計10カ所とする。また、重度後遺障害者支援施設への経費補助を倍増するほか、障害者に対する介護料も大幅に増額する。交通事故死者数は統計開始以降で過去最少まで減少しているものの、事故による重度後遺障害者は横ばいの傾向にある。このため、救済事業の拡充により、障害者本人や家族の不安を解消することを目指す。

国交省は、交通事故による重度後遺障害者のための療護施設を設置・運営している自動車事故対策機構の運営費に交付金を支給している。19年度の予算額は73億1800万円。
事故対機構は現在、4カ所の療護センターと5カ所の療護施設機能委託病床を開設しており、病床数は計295床となっている。1月中には北陸地方で初となる委託病床を金沢市に開設する予定で、病床数は計300床に達する。今後、空白地になっている地方を中心に委託病床を展開する予定で、これにより介護者が自宅が施設から遠距離にあることを理由に入院に至らないケースの解消を目指す。現在、四国や南九州で候補となる病院を絞り込んでいる。
一方、少子高齢化も視野に入れながら、在宅で療養生活を送る重度後遺障害者の家族など介護者がいなくなった場合に備え、障害者支援施設に対して、設備導入や介護人材確保などの経費も補助している。18年度の予算額は1億5千万円だったが、19年度は3億円に倍増する。
また、障害の程度に応じて支給している介護料は、19年度に予定されている労災保険制度における介護保障給付の引き上げに合わせ、支給額を見直す。引き上げ幅は20・9~53・0%。これにより、重度後遺障害者やその家族の経済的負担を軽減する。予算額は前年度比で約2割増の38億円を予定している。
このほか、短期入院の受け入れ体制や訪問支援などの施策も充実する考えだ。

日刊自動車新聞1月10日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界