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2018年12月30日

愛知の中小部品メーカー、若手人材の採用へ独自技術をアピール

愛知県内の中小部品メーカーが、新卒採用の積極化と年齢層の若返りを進めている。金型製造や微細加工など、熟練の技が必要とされる業界ではベテラン層が厚くなりがちだ。後継者不足ともいわれる中でこれらの部品メーカーには、将来の担い手となる若手人材を積極的に採用して早期から一人前へと育てていく姿勢が目立つ。他社にはない独自技術を採用のアピールポイントとして生かしている。

精密鍛造歯車を製造する大岡技研(大岡由典社長、愛知県豊田市)は、自動車用トランスミッションに使う歯車の製造を主力とし、独フォルクスワーゲンをはじめ、欧州自動車メーカーなどと取引している。
同社の従業員は約850人。直近の年間採用人数は、新卒が30~40人、中途で50人の計約80人と、最近の売り手市場の中で積極的に人材を採用している。
切削加工で歯車を造る企業が多い中、同社はプレス加工で精密歯車を造り上げる。切削と比べて約4~5割強度を高めることができる半面、精度を維持することが難しい。鍛造歯車を手がける企業は、グローバルで見ても同社を入れて3社程度と他社との差別化ができ、採用のアピールポイントになりそうだ。

金型設計・製造を手がけるナガラ(早瀬實代表取締役、名古屋市中川区)は、アイシン精機やエイチワンなどを主要取引先とし、客先のニーズに応じて金型を設計する。現在の従業員数は約130人。役員を含めた平均年齢は35・8歳と、平均年齢が低いのが特徴。会社創業に携わったメンバーといったベテラン層の多くは若手人材の育成に力を注ぐ。こうした力が、ものづくりの基礎となる。自動化やIoT(モノのインターネット)化が進んでも、土台となる金型製造には人が必要との考えから若手人材の育成を重視する。

日刊自動車新聞12月27日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社調査

開催地 愛知県内
対象者 自動車業界