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2018年12月24日

光・レーザー技術展 自動車関連の出品目立つ、あらゆる素材の加工方法提案

「第18回光・レーザー技術展」が12月5日~7日に幕張メッセ(千葉県美浜区)で開催された。自動車関連では、ロボットとレーザー加工機を組み合わせた技術や高度な加工に対応できる機器などが多数展示された。

三菱ダイヤモンド工業は、曲面のガラスに3Dレーザー加工を施す技術を紹介した。自動車業界でヘッドアップディスプレーの曲げ加工後にレーザーで加工したいというニーズがあった。そこでロボットと独自のレーザー加工技術を組み合わせ、あらゆる曲面ガラスの加工を可能にした。同社の開発担当者は「ロボットの位置決め精度の高まりも技術開発に一役買った」と語る。現在はテスト段階にあるが、来年中に商品化して自動車業界を中心にPRする考えだ。

ダイヘンとレーザーラインもダイヘン製の新しいロボットとレーザーラインのレーザー加工技術「スポットインスポット技術」や「トリプルスポット技術」などの組み合わせを提案した。ロボットで材料を持ち、動かしながらのレーザー加工が可能。アウディ向けに2001年から実用化している技術で、ろう材を溶かさず、加工対象となる素材によってレーザーの照射密度や照射エリアを変えることで強度を高めることが可能となる。ダイヘンの新しい可搬ロボット「FD―V80」「V100」「V―130」は来年4月発売予定だが、受注はすでに行っている。

また、三菱エレトロニクスは「CFRP切断システム」を参考出品した。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)材料の切断がレーザー加工ででき、毎分6メートルのスピードながら細かい作業への対応など品質を両立。「加工機器にありがちな刃物の磨耗や水にぬれるといった心配もない」とアピールした。

ファナックは「ロボットiシリーズ」や「ファイバーレーザーシリーズ」を紹介した。ロボットシリーズではレーザー溶接、アーク溶接や物流、塗装向けなどさまざまなラインアップを揃えている。高速・高精度レーザ加工を実現するファイバーレーザーとの組み合わせを勧める。

アマダブースには3日間で1千人近く来場した。自動車業界向け微細加工用溶接機・加工機をを手がけるアマダミヤチも複数品展示した。新商品では、専用のセンサーと組み合わせることでレーザー加工中に異常を監視できる「MM―L300A」を紹介。良品のデータと不良品のデータを比較判定する。付属の専用ソフトウエアをインストールしたPCと接続するだけで、条件設定やデータ保存ができる。

古河電気工業は自動車業界向けに各種「ファイバーレーザー」加工機を活用したレーザ加工技術を出展した。電気自動車(EV)向けのモーターや電池などを製作する際、純銅をレーザーで加工できるだけでなく、溶接に最適なモードを制御でき、溶接欠陥を防げるとする。大型部品の量産向け機器も開発している。機械の特徴だけでなく利用事例を展示することでマッチングを図る。同社には毎週のように各自動車メーカーが加工実験に訪れるなど、注目されている。

日刊自動車新聞12月19日掲載

開催日 2018年12月5日
開催終了日 2018年12月7日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

リード エグジビション ジャパン

開催地 幕張メッセ
対象者 自動車業界
リンクサイト

展示会開催案内 https://www.photonix-expo.jp/