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2018年12月19日

第18回ソープボックスダービー日本グランプリ クルマを操る楽しさ感じて

NPO法人日本ソープボックスダービー協会(阿野安雄理事長)は1、2日の2日間、「第18回ソープボックスダービー日本グランプリ」を横浜市中区の日本大通り特設コースで開催した。子どもたちが緩やかな坂道を下ってタイムを競うレースで、出場したパイロット36人は、練習の成果や両親のアドバイスを胸に頂点を目指した。運営には、神奈川県のトヨタ販売会社7社をはじめ神奈川県内の各団体などが協力し、イベント運営を支援している。

ソープボックスダービーの発祥は、20世紀初頭の米国と言われる。当時、石鹸工場で使われた「石鹸を入れて運ぶ木箱」に車輪を付けて楽しんだことから名付けられたとされている。
今年も国内では、各地でソープボックスダービーの活動が展開された。走行会やモックカーの制作などを通じて、親子で車に親しむ機会の提供やソープボックスダービーの協議普及を図っている。「小さいときから四輪車に触れて、自動車は楽しいと思ってもらいたい、自動車に興味を持ってもらいたい」(阿野理事長)のがソープボックスダービーの最大の目的だ。
今年の日本グランプリは、神奈川県代表選考会(神奈川選考会)と神奈川県以外の都道府県合同代表選考会(他県合同選考会)との合同開催で、8歳から13歳までの36人が出場。約150メートルの特設コースを3回走行し、最速タイムを競った。

運営には、2008年に支援を開始したウエインズグループ(宮原郁生代表、横浜市中区)の横浜トヨペット、トヨタカローラ神奈川、ネッツトヨタ神奈川の3社と15年からサポートするKTグループ(上野健彦代表、横浜市神奈川区)の神奈川トヨタ、トヨタカローラ横浜、ネッツトヨタ横浜、ネッツトヨタ湘南の4社がパートナーとして協力する。また、神奈川県や日本自動車工業会、自動車技術会、神奈川県自動車整備振興会などが後援している。

2日間にわたる競技は、オールアメリカン・ソープボックスダービーの規則を適用し、パイロットのブリーフィングや車検・重量調整など車のレースそのもののルールで進行される。優勝者は、19年7月に米オハイオ州で開催される「第82回オールアメリカン・ソープボックスダービー国際大会」の出場権を得ることができる。

競技の結果、神奈川選考会で優勝の栄誉に輝いた宮本知佳選手(小学校4年生)には、副賞として横浜トヨペット間島努常務から航空券の副賞が手渡された。間島常務は「宮本選手、来年の国際大会でも頑張ってください。出場した選手の皆さんの健闘をたたえます」と述べた。また、レースの応援に駆けつけたAKB48チーム8の小田えりなさんも宮本選手らを祝福した。
宮本選手は、母親がディーラーの告知を見たことがきっかけで参戦した。レースでは「姿勢を低くして、ぎりぎりまでハンドルを切らないように心がけました。ブレーキの練習もしましたし、すごく嬉しいです」と笑顔を見せた。国際大会については「肩を下げてハンドルを切らないようにして、早く走れるように家族と相談していきます」と抱負を語った。

阿野理事長は、日本グランプリを振り返り「2日間、最後までパイロットの皆が真剣にレースに臨んでくれた。車に乗っている時のパイロットが、ゴールを見据える目、緊張感を持ってゴールに車を運ぶ目が印象的だった。挑戦心を燃やして行動に移して真剣勝負をしたパイロットたちに敬意を表したい」と感想を述べた。また「米国と同じように、日本から各都道府県の代表選手に米国の大会に出場してもらうことが一番の望み」と将来の展望を語った。
子どもたちが動力に頼らずに、自分の力で四輪車を操縦する楽しみを得られるのがソープボックスダービーの最大の魅力だ。ソープボックスダービーに参戦した選手たちが、その経験を忘れずに将来の自動車産業を担う人材へ成長してくれることを期待したい。

日刊自動車新聞12月15日掲載

開催日 2018年12月1日
開催終了日 2018年12月2日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

NPO法人日本ソープボックスダービー協会

開催地 日本大通り特設コース(横浜市)
対象者 キッズ・小学生,一般,自動車業界