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2018年12月18日

アウトメカニカ上海、セミナー多数開催 カーコネクティビティに焦点

■中国市場のトレンド発信、調達戦略や品質管理の講演も
11月28日~12月1日に開催されたアウトメカニカ上海2018(主催=メッセフランクフルト)では、急速に成長する中国の自動車業界の勢いを象徴して、モビリティに関する将来の新たなビジネスモデルを提案するセミナーが数多く開催された。出展、フォーラム、イベントなどを通じて、特にカーコネクティビティに焦点を当てた内容が目立った。

◆欧米とは大きく異なる市場環境
11月29日に開催された「コネクテッド モビリティ カンファレンス 上海」では、「コネクテッドデジタルモビリティエコシステムの構築と利益獲得」をテーマに、民間企業や研究所のトップなど、中国国内の自動車業界をリードする講師陣がモビリティ産業の将来像を語った。
オートモビリティリミテッドのビル・ルッソCEO(最高経営責任者)は、中国自動車産業の計り知れない成長の可能性について講演した。中国自動車マーケットの特徴として、自動車の所有率が非常に低い点を挙げた。1千人当たりの自動車所有者数は、米国が825人であるのに対して中国は118人(2016年)にとどまっているとし、「今後、急速に所有率が高まるとは考えにくい」とした。米国や欧州といった自動車産業が成熟したマーケットでは自動車の所有文化が浸透している一方、中国では公共交通による移動者が最多層で、オンデマンドモビリティサービス利用者層がこれに続くなど、大きく市場環境が異なる点を強調した。
これを前提に、ルッソ氏は「成熟国とは大きく異なるマーケット背景を持つ中国では、オートモビリティの普及が将来のコネクテッドライフスタイルの鍵を握るだろう。将来のカーコネクティビティ普及の手法を定義するならば、アプリケーションとモビリティサービスプロバイダーといったデジタル領域と、自動車メーカーと通信インフラといったハード領域に分けられ、進化の仕方は多様になるだろう」とした。
また、デクラ社の幹部は、自動運転車や電気自動車、コネクテッドカー向けの自社のテストセンターを紹介し、各領域で今後求められる性能試験の方向性を示唆した。

◆調達戦略や品質管理の講演も
このほか、「シェアードモビリティの未来」「自動運転車におけるコネクテッドモビリティ」「自動運転普及を前提とした未来の交通網変化」など多様なテーマが取り上げられた。各セミナーでは、未来の自動車関連のビジネスモデルや中国市場における海外企業のビジネスチャンスなど、中国におけるトレンドが発信された。
カーコネクティビティ関連以外では、グローバル展開する自動車メーカーや1次サプライヤーの購買担当責任者がサミットを開催し、アジアや中国における調達戦略や要望、品質管理システムについて各社が講演を行った。参加企業はゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、ボルボ、吉利汽車、ロバート・ボッシュなど。

日刊自動車新聞12月15日掲載

開催日 2018年11月28日
開催終了日 2018年12月1日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

メッセフランクフルト

開催地 アウトメカニカ上海2018(中国)
対象者 自動車業界