◆アイダ・スギムラ精工とアマダ・デンソーに栄冠
日本鍛圧機械工業会（宗田世一代表理事会長）はこのほど、「ＭＦ技術大賞２０１８―２０１９」の受賞製品を発表した。大賞にはアイダエンジニアリングとスギムラ精工による「プレス成形によるスプロケットのネットシェイプ加工」と、アマダホールディングスとアマダマシンツール、デンソーによる「サーボプレスを用いた自動車部品用超高精度絞り加工品（切削レス）」が輝いた。入賞した全７件のうち６件が自動車部品向けの製品となった。

同賞は、鍛圧機械を使った鍛圧塑性加工技術の実力を高め、製品加工や金型、システム、研究などの要素を組み合わせた「ものづくり総合力」を顕彰する。鍛圧機械の長所を最終製品の完成度で証明するため、鍛圧機械メーカーと加工メーカーなどの連合体を表彰する。今回で５回目。

プレス成形によるスプロケットのネットシェイプ加工では、「体積一定」「塑性流動コントロール」「外部摩擦ロスの低減」の塑性理論に基づく独自工法の開発によりネットシェイプ率を向上させた点を評価。高精度プレス加工で加工後の切削・研削量を削減したほか、従来は必要だったプレス加工前処理の廃止によりタンク内に劣化して溜まった油分や錆などの沈殿物、重金属含有廃液を軽減し、環境負荷軽減にも貢献した。

サーボプレスを用いた自動車部品用超高精度絞り加工品では、従来機では一度にできなかった１６工程を金型循環プレス加工システムの構築により「２０００ｋＮサーボプレス」１台で実現。金型交換でプレス業界初となる電磁クランプの採用や統合制御するソフト開発など創意工夫を凝らした点が評価された。

日刊自動車新聞12月12日掲載