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2018年12月3日

いすゞ、右折時に歩行者検知 緊急自動ブレーキ技術を20年代初に実用化

いすゞ自動車は、交差点の右折時に横断中の歩行者を検知し事故防止を図る緊急自動ブレーキ技術「交差点AEBS」を2020年代前半に実用化する。

トラックの市街地走行の事故では、特に横断中の歩行者と衝突・接触するケースが多くみられる。既に車両が直進している際に歩行者を検知する技術は実用化しているが、今後はセンサーの追加や車両の進路推定技術の高度化によって、交差点AEBSの制御を確立。右折時にも正確に歩行者を検知できるようにし、安全性能を高める。

同社によると、特に市街地走行が多い小型トラックの対歩行者事故では、横断歩道上で歩行者と衝突・接触し死亡事故に至る確率が最も高かったという。また横断歩行者を死亡させる事故を起こした際の車両の走行状態は、直進に次ぎ右折時が多い。事故を未然に防ぐためには、直進時だけではなく、右折時にも歩行者を保護する技術が必要とみて、交差点AEBSを開発している。
既に実用化した直進時の緊急自動ブレーキでは、ミリ波レーダーやカメラを採用したシステムとなっている。交差点AEBSでは、ドライバーの操作などから車両がどのような軌跡で右折するかという進路推定の技術と、より幅広い角度を検知するためのセンサーの搭載によって実現する。センサーは広範囲に検知可能なLiDAR(レーザースキャナー)の活用も検討している。交差点AEBSは将来的に欧州の「ユーロNCAP」の加点対象になる見通し。同社は、これによりセンサーなどのコストが下がり、トラックなど商用車にも搭載可能になると見込んでいる。

トラックメーカー各社は高速道路での隊列走行など自動運転技術の開発を加速している。いすゞは高速道路に加えて一般道での運転支援技術の高度化も進め、交通事故件数の低減に貢献していく。

日刊自動車新聞11月29日掲載

カテゴリー 交通安全
主催者

いすゞ自動車㈱

対象者 自動車業界