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2018年11月19日

ウーバーって実際どうなの?(東欧体験記)

夏季休暇を利用してとある東欧の国へ一人旅に出かけた。鉄道があまり発達していない国で、街中や都市間の主な移動手段はタクシーとバスだった。せっかくの機会だったので「ウーバー」を利用することにした。
ダウンロードしておいたアプリを使って車両を呼ぶ。地図が細かいところまで表示され、道路のどちら側に自分がいるかまでドライバーには分かるようだ。地図上で目的地を指定できるため、地名や建物の読み方が分からなくても入力しやすい。なにより事前に金額が分かるのが良い。支払いもクレジットで自動引き落としだ。価格もタクシーより3割ほど安かった。

旅行中に10回ほどウーバーを利用したが、アプリで呼び出してから車両が来るまで平均6分ほどだった。アプリ上で車両の走行状況がリアルタイムで分かるため、安心感もある。いろいろな車両に乗れるのも楽しい。期間中は、アウディ「A3」やプジョー「508」、シトロエン「C3」などに乗車した。
ドライバーはほとんどが副業のようだった。中にはタクシー運転手が本業だが「今は儲からないから」とウーバー運転手と兼務している人もいた。

価格面や利便性は、正直に言ってタクシーよりはるかに良いと筆者は感じた。ただ、どこか物足りない。目的地を指定する必要がないため車内での会話はなく、ドライバーも流れ作業のように乗客を運ぶ、ただ目的地に移動するだけの時間だった。ストレスは感じないが、記憶にはあまり残らない。不慣れな現地語で説明に苦労したり、正規価格の3倍近い料金を請求してくるタクシー運転手との攻防が少し懐かしくなった。ナビに従って運転するドライバーが多いため、裏道や地元の店を知らない人も多く、運転のプロとは言い難い。交通手段としては格段に便利だったが、移動する時間も思い出にしたい筆者のような人には、少し物足りないかもしれない。

日刊自動車新聞11月15日〈アンテナ〉掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社取材

開催地 東欧
対象者 自動車業界