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自動車産業インフォメーション

2018年10月27日

産総研や光岡自動車など、木材成分用いた内外装部品搭載車を披露

産業技術総合研究所、森林総合研究所、宮城化成(小山昭彦社長、宮城県栗原市)、光岡自動車(光岡章夫社長、富山市)は23日、スギから抽出した樹脂成分の改質リグニンを用いた自動車内外装部品の搭載車両(ビュート)を世界初披露した。今後は1年かけ走行実証を行う。

木材の中にはリグニンと呼ばれる成分が20~35%含まれる。強固で耐熱性が高い素材としてその用途が期待される一方、樹木の種類や生育環境によって性質が異なるため、現在は熱源材料としてのみ利用されている。

内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の研究課題「地域のリグニン資源が先導するバイオマス利用システムの技術革新」(2014~18年度)では日本固有でリグニン成分が均一なスギに注目。ポリエチレングリコールを使って改質リグニンを精製し、ガラス樹脂に含浸。光岡自動車「ビュート」のボンネットやドアトリム、アームレスト、スピーカーボックスの部材に改質リグニンを含むGFRP(ガラス繊維強化樹脂)として採用した実証車両を初披露した。

車内には温度や湿度からGFRPの状態を調べる自動測定器を配置するほか、ボンネットにはあえて塗装をせず走行実験を通じて経時変化を調べる。1年の実証走行後はSIPから離れるため、宮城化成や光岡自動車が中心となり低コスト化や成形方法について検討。22年度からは光岡自動車以外にも改質リグニンを使ったGFRPを供給する計画だ。ただ、これまでの産学官によるコンソーシアムも継続していきたい考えで「国から予算が取れるように組織作りも検討していきたい」(産総研の蛯名武雄工学博士)としている。

日刊自動車新聞10月24日掲載

開催日 2018年10月23日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

産業技術総合研究所、森林総合研究所、宮城化成、光岡自動車

対象者 一般,自動車業界