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2018年10月20日

国交省、新たにエーミング作業も分解整備の定義に追加

国土交通省は、先進安全技術のエーミング(機能調整)作業を分解整備=用語=の定義に加える方向で検討に入った。エーミングに限定した新たな制度や資格を創設することも併せて検討する。整備と板金塗装(BP)業界が緊急自動ブレーキなどの点検や修理、調整を確実かつ円滑に行えるようにする。有識者などとの議論を経て関係法令を改正し、2020年にも新制度へ移行する。

エーミングは、レーダーセンサーや音波センサーがついた外装類の脱着、カメラがついたフロントガラスの交換などのほか、フレーム修正を伴う板金塗装などを実施した際、先進安全装置を正しく作動させるために行う校正作業のこと。国交省はすでに、センサーやカメラなど検知システムの交換や修理などの作業を分解整備と位置付け、これらの作業を実施できるのは認証事業者に限る方向で検討を始めている。新たにエーミング作業も分解整備の定義に加えることで、安全性確保をより確実なものにする考えだ。

ただ、エーミング作業の実施には外部故障診断機(スキャンツール)やターゲット、広い作業スペースなどが必要で、正確に作業するための知識も欠かせない。中小・小規模(零細)企業にも配慮し、エーミングに限定した制度や資格を設けて、事業者の負担を緩和したい考え。すでに、車体整備用機器メーカーなどでは、エーミング作業に関する設備や知識を持つ整備工場や整備士を認定する独自制度を設けているところもある。国交省では、こうした事例も参考に、新制度のあり方を検討していく。

国交省は、車載式故障診断装置(OBD)を使った自動車検査(車検)を24年度にも始める予定だ。新しい分解整備の定義や制度も、OBD車検をにらんで導入する公算が大きい。

〈用語〉分解整備 道路運送車両法第49条第2項で「原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置又は連結装置を取り外して行う自動車の整備又は改造であって国土交通省令で定めるもの」とされる。また、同法第78条第1項では「自動車分解整備事業を経営しようとする者は、自動車分解整備事業の種類及び分解整備を行う事業場ごとに、地方運輸局長の認証を受けなければならない」とされる。現状、車輪やガラス、灯火装置などの整備や改造は分解整備の対象外で、制御装置の変更やセンサー類の交換も分解整備の対象外となっている。

日刊自動車新聞10月16日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界