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2018年10月8日

奈良県の高校、整備士への理解促進図る 地域の事業者と連携、やりがいアピール

奈良県内の高等学校で自動車整備士の理解促進を図る取り組みが拡大している。

県立御所実業高校が地域の整備事業者の協力を得て、メカニックの職業体験を2年連続で実施した。今年は昨年の倍の人数が参加するなど生徒からの注目度は高い。協力会社の数も増加しており、高校と地域の整備事業者が連携して若年層に整備士のやりがいや魅力を訴求する構えだ。

同校は2017年度に課外事業「自動車整備研修デュアルシステム」を実施した。整備士の職業理解を目的とした取り組みで3年生15人が参加した。生徒は整備事業場での実習や大型車ディーラーの整備工場見学などを経験した。
課外事業が生徒に好評だっため、同校は18年度も整備士の職業体験を継続することを決めた。取り組みを主導する機械工学科の藤田勝義科長は「整備士に興味を持っている生徒も多い。その選択肢を将来の進路として考えられるように、整備士の職業体験を推進している」と話す。

本年度は、9月から開始した「社会とつながる実学教育の推進事業」の一環として、整備士の職業体験を展開している。機械工学科の2年生30人が県内の整備事業場でメカニックの仕事を体験している。同科の生徒は2クラスで計74人のため、参加率は4割を超える。
生徒の参加数拡大に伴い、受け入れる整備工場の数も増加した。17年度の協力会社は整備専業工場1社だったが、18年度は新車ディーラーなどを含む4社5事業場となった。参加生徒は2~4人のグループを作り、各事業場でオイルの点検やタイヤの交換などを経験している。

協力会社にとっては地域貢献と同時に、会社の知名度向上のチャンスにもなる。メカニックの高校生採用を実施している事業者もいるため、将来的な人材確保につながる可能性もある。
職業体験は19年1月まで続く。同校は19年度以降も取り組みを継続する方針だ。藤田科長は「整備士は社会を支える職業であり、それを志す人材を育てるのが我々の仕事。体験を通じてメカニックの面白さややりがいを感じてほしい」と期待を込める。

日刊自動車新聞10月3日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

奈良県立御所実業高校

開催地 奈良県立御所実業高校
対象者 中高生,自動車業界