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自動車産業インフォメーション

2018年10月8日

横浜ゴム、冬用タイヤの接地状態評価で新技術 氷上性能向上に貢献

横浜ゴムは、金沢大学理工研究域岩井研究室との共同研究により、走行中に発生する氷上路面とゴムの接地状態を可視化する評価技術を開発したと発表した。同技術は吸水性に優れた新たな配合剤の発見や排水性の高いトレッドパターンの開発に貢献する。

氷上を走行する際、氷表面に発生する水膜によりタイヤが路面に密着できなくなることがグリップ力低下の原因となる。これまではタイヤと路面の接地面を観察する際、路面とゴムの間に水が入り込んでいる部分とゴムが直接路面に接している部分(真実接触部)は同じように見えるため見分けるのは困難だった。
今回、高速度カメラを搭載した特殊試験機を開発したことで、接地状態を可視化し、真実接触部を識別することに成功した。さらに、接触画像を数値化する解析技術を確立し、ゴムの吸水性や排水性を数値的に評価することにも成功した。

特殊試験機では氷あるいは氷を再現した透明で平滑な円盤とゴムサンプルを最大時速50キロメートルで摩擦させ、その接地面のミクロレベルの画像を高速度カメラで1秒間に100万枚撮影することができる。また、試験中の摩擦力を同時に測定する。この試験機で撮影した画像は真実接触部のみを黒く映し出すことができ、例えば吸水剤ありと吸水剤なしのゴムでは前者の方が黒い部分の面積が広くなることがわかった。さらに接触面積を摩擦力と関連づけるために新たに開発した解析技術で画像を数値化した結果、算出した数値はゴムの摩擦力と高い相関関係があることを明らかにした。

日刊自動車新聞10月3日掲載

開催日 2018年9月26日
カテゴリー 交通安全
主催者

横浜ゴム㈱

対象者 自動車業界
リンクサイト

横浜ゴムニュースリリース https://www.y-yokohama.com/release/?id=3094&lang=ja