会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2018年9月27日

経産省 2050経済社会構造部会、生涯現役社会の実現へ 構造変化踏まえ議論

経済産業省は21日、産業構造審議会の「2050経済社会構造部会」を開いた。高齢者も安心して働けて活躍できる“生涯現役社会”をどのようにつくるかなどを議論する部会で、今回が第1回会合。少子高齢化が進む中、2050年ごろまでの構造変化を踏まえた新しい経済社会の将来像と政策課題を整理する。行動経済学のナッジ理論(用語)の活用や予防・健康インセンティブの強化などについても議論する。月1回のペースで議論を進め、来夏までにとりまとめを行う。

部会は学識経験者のほか、自治体の首長、民間企業、医師・医療団体、労働者団体などの代表者20人の委員で構成する。

日本は今後、2050年ごろまでに現役世代が急減するほか、“人生100年時代”の到来、単身世帯の増加など家族構成の変化、地方の人口減少・高齢化の加速、社会保障支出の増大などの構造変化に直面する。特に現役世代(生産年齢人口)は15年の約7700万人から50年には約5300万人に減る見通し。同時に、第4次産業革命やグローバル化の進展により、産業構造も大きく変化する。こうした中で、次世代に持続可能な経済社会を残すためには、国民や企業の行動を変化させ、すべての世代が活躍できる生涯現役社会を実現する必要があると経産省ではみている。

部会では、生き方や働き方の多様性がリスクにならないように、現役世代や子育て世代の安心を確保するとともに、健康な高齢者が可能な限り長く就労できる経済社会制度をつくるための政策課題などを議論する。
部会に出席した世耕経産相は「最近の高齢者は大変に元気。その面で、人生100年時代の到来は日本にとってのチャンスにもなる。国民一人ひとりに賢い選択(スマートチョイス)を促すことが重要。これを明るい社会保障改革の議論につなげたい」などと挨拶した。
世耕経産相は若手議員と「新しい社会保障改革に関する勉強会」を立ち上げ、9月上旬に「スマート・チョイス戦略 ナッジとインセンティブで賢い選択を応援」と題して議論をとりまとめた。部会にも高齢化社会に対応する方策の資料として提出し、議論を促した。

〈用語〉
ナッジ理論 「nudge」は「ひじで軽く突く」という意味。行動経済学の用語で、ちょっとしたきっかけを与えることで消費者に行動を促す手法を指す。2017年にノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授らが生み出した理論。

日刊自動車新聞9月22日掲載

開催日 2018年9月21日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

経済産業省

対象者 一般,自動車業界