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2018年9月27日

物流も「電動」「自動」、独ハノーバーショー

独ハノーバーで20日から一般公開されている世界最大の商用車の展示会「IAA国際商用車ショー2018」では、次世代技術を採り入れた新たなトラックやバスの提案で盛り上がっている。

物流業界は先進国での人手不足や、グローバルで厳しさを増す環境規制の対応が課題となっている。電動化や自動運転技術、コネクティビティーといった新技術の活用で既存の商用車の機能を向上するだけでなく、将来の新たな物流のあり方を提案する企業も相次いだ。

三菱ふそうトラック・バスは、日本でも展開する小型トラックの電気自動車(EV)「eキャンター」を出展した。大口顧客向けに限定販売しており、欧州では50台を販売した。欧州では一部の都市がディーゼル車の走行を制限する方針を出すなど、環境規制の強化を背景にEVシフトが進むとみられる。航続距離は内燃機関に比べ劣るものの、主に都市内の配送で、決められたルートを走行する小型電気トラックであれば「顧客の要求をカバーしている」

一方で電気トラックは「充電のインフラ整備が十分ではない状況だ」とし、プラグインハイブリッド車(PHV)の大型トラックを展示したのはスウェーデンのスカニアだ。モーターのみでの走行距離は約10キロメートル。「バッテリーの性能は上がっているものの、トラックにするにはまだ足りない」(担当者)。内燃機関と組み合わせるPHVやハイブリッド車(HV)の重要性も市場で高まると訴えた。

韓国の現代自動車は、燃料電池車(FCV)の主要部品であるFCスタックのトラック用を公開した。FCVはEVよりも航続距離が長いのが特徴。2019年以降の実用化を目指しているという。次世代のパワートレーンの提案はEVだけではなく、PHV、FCVなど各社でさまざまな特色が現れた。

独ダイムラーは、「ビジョンアーバンテック」というコンセプト商用車を展示。自動運転技術、EV、コネクテッド技術を組み合わせたもので、シャシー部分のみで自律走行が可能だ。人や荷物など用途に合わせたキャビンを組み合わせて、シャシーそのものは複数のユーザーでシェアリングするといった構想を持つ。次世代技術の組み合わせで、物流そのものが大きく変化する可能性を提示した。

日刊自動車新聞9月22日掲載

開催日 2018年9月20日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

IAA国際商用車ショー2018

開催地 ハノーバー(独)
対象者 自動車業界