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自動車産業インフォメーション

2018年9月23日

増加続ける中古HV輸出、リサイクルに影響

増え続けるハイブリッド車(HV)の中古車輸出が国内循環を基本とする自動車リサイクルに影響を及ぼす可能性が出てきた。

2017年度の中古HVの輸出台数は前年度比25・0%の11万8875台と初めて10万台を突破。一方で使用済み自動車(ELV)として処理した台数は約2万5千台と5分の1にとどまり、新車販売台数に照らし合わせても少なさが浮き彫りになった。「本来は国内で廃車処理されるべき車両も海外に流出している」との声もある。

中古HVの輸出は右肩上がりだ。08年度は3417台だったが、17年度は約35倍の11万8875台に拡大。17年度の総輸出台数に占める割合は前年度から1・2ポイント増え8・3%となった。財務省の貿易統計によると、モンゴルやスリランカ、パキスタン、ロシアなどへ多くの中古HVが輸出されている。環境対策の一環としてHVを優遇している国が多い。

一方、ELVとして引き取られたHVは17年度で2万2487台。総引取台数に占める割合は0・68%と1%を切る水準だ。同年度の新車販売台数は約520万台(うちHVは約110万代)。ELV引取台数は約330万台で、HVのELV発生比率がいかに低いかがわかる。

初代プリウスが1997年に登場して20年が経過し、ELVの発生台数は徐々に増えていくことは間違いない。ただ、それ以上に輸出が伸び続けている実態を踏まえると、国内における駆動用バッテリーなどのリサイクル事業への影響も懸念される。

日刊自動車新聞9月19日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社調査

対象者 自動車業界