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自動車産業インフォメーション

2018年9月23日

国交省、ホワイト物流の推進体制構築 長時間労働を是正

国土交通省は今秋、トラック運転者の長時間労働を是正する「ホワイト物流=用語解説=」の推進体制を構築する。

政府は2019年度から「ホワイト物流実現国民運動(仮称)」の展開を始める。この中では、全国各地でセミナーを開催したり、インターネットのホームページでホワイト物流の実現を呼び掛けるなどの活動を展開する予定となっている。荷主やトラック運送業者などの物流関係事業者とその団体、関係省庁などとともに、その具体的内容を検討し、国民運動の展開に備える。

トラックやバス・タクシーなど自動車運送業の運転者は、年間労働時間が全職業平均と比べて1~2割長いとされる。その一方で、賃金は1~3割も安く、これが労働力が不足する要因ともされる。
先の国会で成立した働き方改革関連法により、自動車運送業にも年間960時間とした時間外労働の上限規制が導入される。同規制は大企業に2019年4月、中小企業に20年4月から適用されるが、これまで限度時間がなかった自動車運送業などには、適用が5年間猶予される。

こうした働き方改革を推進するためには、ホワイト物流の実現が不可欠となる。具体的には発荷主や元請物流事業者、トラック事業者、着荷主が一体となって、IT(情報技術)の利活用などにより物流プロセス全体を見直して、生産性を高める活動を展開しなければならない。こうした活動やホワイト物流実現国民運動への参加呼び掛け、荷主が取り組むべき事項の普及や啓発活動も必要になる。

今秋に立ち上げる推進体制には全日本トラック協会など物流関連団体のほか、荷主関連団体やこれを所管する関係省庁も加わる。今年度中に国民運動の内容や展開方法などを検討するほか、来年度以降、全国各地で開くセミナーなどの主催者にもなる。国民運動は猶予期間が終了する24年3月まで展開する予定だ。

〈用語〉
ホワイト物流 労働生産性が高く、女性や高齢者を含む多様な人材が現場労働者として活躍できる労働環境を実現した物流の形態。政府が5月30日に策定した「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」の中で初登場した造語。

日刊自動車新聞9月19日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 一般,自動車業界