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自動車産業インフォメーション

2018年9月7日

〈北海道地震〉企業活動に甚大な被害 部品メーカー操業停止も

6日午前3時ごろ発生した北海道南西地方を震源とする最大震度7の地震は、企業活動にも甚大な被害を与えている。

地震直後、道内最大の規模を持つ北海道電力の苫東厚真発電所(厚真町)が停止。道内にある残りの火力発電所も運転が停まった。この影響で札幌市内を含めた道内全域が停電。道内に拠点を持つ自動車関連メーカーにも被害をもたらした。

新日鐵住金室蘭製鉄所(室蘭市)構内にある三菱製鋼室蘭特殊鋼では冷却水が停まったことで午前4時ごろに連続鋳造設備の軸受グリスから火災が発生。その後、消防を呼び10時半ごろ鎮火した。従業員にケガはないとしている。この影響で自動車向けなどの特殊鋼生産が停止。また、新日鐵住金室蘭製鉄所も稼働を停止した。自家発電などを使い高炉は動かしているが、生産は停めている。

ハイブリッドトランスアクスルやCVTなどを生産するトヨタ自動車北海道(苫小牧市)は5日の夜勤(2直)の途中で地震があり、従業員は避難ののち帰宅。6日の操業は停めた。人的被害はなく、設備などの状況は確認中。

アイシン北海道(苫小牧市)は夜勤69人体制で作業していたが、地震発生直後は避難し、その後、一部の従業員を残して大多数を帰宅させた。目視した限りでは建屋や設備の被害はないが、さらに詳細を調べるとしている。自動車用金属製CVTベルトを手がけるシーヴイテック北海道(同)は工場の窓ガラスが一部割れたが、建屋や設備、従業員に被害はない。なお、アイシン精機は同日早朝に本社内で特別対策室を設けて現況や情報収集に努めた。現地からの要請に応じて人員や必要な支援物資を送る計画だ。

エクセディの子会社でクラッチディスクなどを製造するダイナックス(千歳市)も停電により稼働を停止。役員や保安員により本社および苫小牧工場(苫小牧市)の建屋や設備を確認したが、損傷は見られなかった。今後は設備に通電し、正常に稼働するか調べたいとしている。夜勤も含め6日の操業は取り止めた。

デンソー北海道(同)も発生直後は夜勤の全従業員を屋外に避難させた。停電しているほか、従業員の安否確認、建屋・設備の状況確認ができておらず6日は休業した。

エンジンやトランスファー、オートマチックトランスミッションの各種部品を手がける京浜精密工業の北海道工場(岩見沢市)も地震直後から従業員の安全確認行った。工場棟やダイカスト設備に損傷は見られなかったが、「北海道電力の発電設備が復旧しても電力供給には時間がかかるのではないか」(同社)と見ている。

エンジン部品を製造するいすゞエンジン製造北海道(苫小牧市)も操業を停止。建屋や設備などに生産に関わる大きな被害はなかったが、電気などが停止しているほか、部品供給など物流網などの影響を調査している。また、むかわ町のテストコースは、建屋の一部で壁がはがれるなどの被害があった。

日刊自動車新聞9月7日掲載

開催日 2018年9月6日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社調査

開催地 北海道
対象者 自動車業界