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自動車産業インフォメーション

2018年8月31日

NASVA、重度障害者の療護施設拡充 5床増設で空白地域解消

自動車事故対策機構(NASVA、濱隆司理事長)は、交通事故により重度の障害を負った人向けの療護体制を拡充する。

現在、独自の療護センターと委託分も合わせて全国9カ所に計295床の体制で運用しているが、「空白地域を解消する」(NASVA首脳)狙いで、2019年1月にも長野県か富山県、石川県のいずれかで5床を増設する準備に入った。今後、完全空白の四国地方のほか、空白地が多い北東北や南九州でも新たな委託先を確保する計画となっている。
 

NASVAは、交通事故により脳損傷が生じて重度の意識障害が継続する状態にあり、治療と常時の介護を必要とする人(重度後遺障害者)が入院して、社会復帰の可能性を追求する「NASVA療護センター」を東北(仙台市太白区)、千葉(千葉市美浜区)、中部(岐阜県美濃加茂市)、岡山(岡山市北区)の4カ所に持つ。また、同センターに準じた治療と看護を行う委託病床を全国5病院に設置している。中でも藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)に委託する5床は、急性期から連続した治療やリハビリに関する臨床研究を行う「一貫症例研究型」と呼ぶもので、18年1月に開設された。
 

ただ、「重度後遺障害者の家族に聞くと、家の近くに療護施設が欲しいという声が大きい」(同)としており、空白地が存在する状況を改善するために、まずは委託先の病院を増やしていく考えだ。
 来年早々に長野、富山、石川のいずれかで5床が増えることにより計300床に達することになる。今後、予算とニーズに合わせて、新たな委託先を確保していく考えだ。
 また、「大きな症状改善効果を得ている」(NASVA)一貫症例研究型については「まだ研究を始めたばかり。成果が積み上がれば、今後、拡充を考える」としている。

日刊自動車新聞8月28日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

自動車事故対策機構(NASVA)

対象者 一般,自動車業界