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2018年8月27日

トヨタ、世界初 市販車に電子ドアミラー

トヨタ自動車は、サイドミラーをカメラとモニターに置き換える電子ドアミラーシステムを世界で初めて市販車に搭載する。

10月に日本市場でも発売するレクサス「ES」の一部グレードにオプション設定する。電子ドアミラーは、車体デザインの自由度が向上するほか、空気抵抗の低減、視認性の向上などに効果を発揮する装備として、今後の普及が見込まれている。

電子ドアミラーシステムの採用は、同モデルの最上級グレードにのみオプションで設定する。後方を撮影するカメラは、反射鏡タイプのドアミラーと同位置に設置する。折りたたみ機構も備えており、ボタンで操作できる。
撮影した映像は、左右のAピラー付け根の車室内に設置したモニターに映す。従来の反射鏡タイプと近似した位置とすることで、ドライバーの違和感を極力減らすように配慮した。前方視界を妨げないよう、高さはメーター類と同程度に抑えている。

カメラを使った電子ミラーならではの機能も搭載する。右左折時には、ウインカーと連動して広角の映像に切り替え、死角を極力減らすことで事故の抑止力を高める。また、後退時には下方向に視野角を広げて車両の感覚をつかみやすいよう手助けする。同モデルは車幅が1800ミリメートルを超えることから、視認性を高めてドライバーを補助する機能として購入客に訴求する考えだ。

電子ドアミラーは、反射鏡をカメラに置き換えることで車体両側の突起物であるミラーユニットを小型化できる。空気抵抗の低減で燃費向上に貢献するほか、並走する二輪車や自転車との接触事故を減らす狙いもある。一方で、立体感のなさやモニターの設置場所などドライバーの違和感の解消が課題となっていた。技術進化によってこれらが解決したため採用に至ったとみられる。
ミラーレス車は、2015年11月には、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で装置の基準が承認され、16年6月には日本国内の道路運送車両法でも認められた。欧州メーカーも導入を検討しており、今後も採用する車種が広がりを見せそうだ。

日刊自動車新聞8月23日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ自動車㈱

対象者 一般,自動車業界