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2018年7月18日

〈西日本豪雨〉西日本豪雨・ぜんせき広島県現地レポート 組合員”使命感”で供給尽力

西日本豪雨で甚大な被害が生じた広島県内では、広島石商(大野徹理事長)の組合員・SSも多数被災する中、復旧・復興に不可欠な石油製品の安定供給を続けようと「強い使命感」で社会的責務の遂行に全力を傾注した。地域社会のインフラ拠点化を図り油槽所とコンビニも一体配備した坂町のSSは、敷地の一部を避難車両のの一時滞在スペースとして開放し、安心を提供。

変電所が水没した三原市では、地場業者が電源車向けの軽油を献身的に配送して電力供給の維持を下支えした。今回の災害対応では、中核SSが緊急車両への優先供給を見込んで一般客への給油を制限する中で、緊急車両の利用をどうPRするか、一方で中核SSへの荷下ろしの優先徹底など、サプライチェーン全体を見据えた一層有効な対策を再検討する必要性も浮き彫りになった。

緊急車両や被災者のニーズを最優先するため、早い段階から限定給油に踏み切った組合員が多く、大野石油店は全店で一般客には2千円限定を実施。セルフSSでも人員を集めて限定給油をおこなった広域業者も見られた。

坂町では、広島市と呉市を結ぶ国道31号線が土砂崩れで寸断され、帰宅困難な車両が続出した。これを受けて綜合エナジーはエクスプレス・ペガサス坂亀石山CSの敷地の一部を速やかに開放。燃料をはじめ併設のコンビニで食料や水も備えていたことから“クルマの避難所”となり多くの帰宅困難者が利用するなど、災害対応力の高さを十分に発揮した。

三原市では市内を流れる沼田川が氾濫、家屋の2階にまで浸水するなど付近の住宅や商店が大きな被害を受ける中、中国電力沼田西変電所も水没して電力供給が停止したため、高圧発電車を広域から配備して電力供給を続けたが、その動力源として軽油の安定的確保が必須となり、中国電力から要請を受けた広川エナスなどに加え、広島県危機管理課経由で協力要請を受けた広島石商は、事前に整えていた軽油ロータリーのリストを活用しながら在庫量と配送の対応可否を確認しつつ、やっさ石油、向谷商店、片山自動車工業、オゴウ、土居石油に協力を得て準備をすすめ、非常用電力の供給を支え続けた。また、フィールドが約40センチ浸水した米丸自動車商会椋梨SS、50センチ程度冠水した加川石油大和第二SSは被災していたにもかかわらず業務再開を急ぎ、懸命に来店者に対応した。

竹原市内の松田石油ウィンズ賀茂川SSは、ガソリン在庫量を勘案のうえフィールドにロープを張り、一時的に緊急車両への給油に限定したが、軽油在庫は心配なかったことから、工事関係車両などへの供給を行うために手書きで「軽油あります」と店頭告知。11日午後からはガソリンも2千円定額給油を再開し、夕方には満タン給油が回復した。

ぜんせき7月18日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物,社会貢献
主催者

全国石油商業組合連合会ぜんせき調査

開催地 広島県内
対象者 一般,自動車業界