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2018年7月11日

自動ブレーキ、過信は禁物 動作の不具合340件

■国交省「あくまで支援」周知
国土交通省は、2017年の1年間に衝突被害軽減ブレーキに関する不具合情報を340件把握していたことを明らかにした。このうち、ブレーキが作動しなかったケースは88件、勝手に作動したケースが249件あり、作動しなかったケースでは72件が接触や追突などの事故につながっていた。また、勝手に作動したケースでも10件の事故が発生していた。

前方や後方の車両や障害物、人や自転車などを検知して作動する衝突被害軽減ブレーキは、近年、搭載台数が急上昇している。国交省によると、2012年は4・3%だった新車の乗用車での装着率は16年には66・2%まで上昇した。
今回の集計は、国交省が設けた「自動車不具合情報ホットライン」に寄せられた情報をまとめたもの。国交省では、こうした情報を独立行政法人・自動車技術総合機構の交通安全環境研究所が分析した。

事故に至ったケースでは、速度の超過によりブレーキの作動と停車が間に合わなかったケースのほか、悪天候などで前方の障害物を検知できなかったケースなどもあったという。ただ、現在までに、こうした不具合がリコール(無償による回収・修理)に至った事例はない。
一方で「作動しなかった」や「勝手に作動した」は、「あくまでも運転者など当事者の申告によるもの」(国交省)としている。センサーやカメラなどから機械が判断した情報と人間の感覚には乖離が生じているともいえる。今後は、センサー類の感度の向上や調整、高度化のほか、AI(人工知能)を活用した状況判断なども実用化されるだろうが、国交省では「あくまでも、これは運転支援技術。くれぐれも過信をしないように」と呼びかけている。

日刊自動車新聞7月7日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 一般,自動車業界