2018年6月19日
経済産業省、石油産業の競争力強化へ報告書案
経済産業省は、石油産業の競争力強化に向けた報告書案を公表した。
需要が落ち込む中でも一定の石油精製能力の維持は必要だとして、遊休地も活用したコンビナートの再編や利益拡大が見込める石油化学製品へのシフト、海外への事業展開などが必要だとした。また政府の役割としてデータ共有や人工知能(AI)、ビッグデータなどと連携した技術開発の協業を後押しすることを求めた。経産省は報告書の内容を政策に反映させていく。
国内の石油製品需要は1999年の約2億5千万キロリットルをピークに3割減り、30年にはさらに2割の減少が予想されている。ガソリン需要も電気自動車(EV)をはじめとした次世代自動車の普及によりピークだった04年の6147万キロリットルから17年には5170万キロリットルまで落ち込んだ。ただ、安定的に燃料を供給するには国内に一定の石油精製基盤を残す必要がある。大規模な精製施設を相次ぎ稼働させる海外との競争を乗り越えつつ、石油精製基盤を国内に残すためには新たな事業転換も考慮する必要があると報告書案は指摘した。
具体的には競争力向上のために遊休地も活用したコンビナートの作り替えが必要だとしたほか、企業間の連携強化も求めた。
政府には、データを共有するためのプラットフォーム作りやAI・ビッグデータを活用した技術革新を後押しするよう提言した。
また、利益拡大が見込める石油化学製品へのシフトを進めることも提案。新素材開発のためには政府系ベンチャーファンドの活用も必要だとしている。また、新事業領域の拡大に合わせノンコア事業は切り離すことも求めた。
報告書案は、ガソリン需要の減少を他の石油化学製品でカバーするという考えだが、一方で「国内外の将来の需給見通しや海外企業の戦略も含めてさらなる考察が必要」とした。
日刊自動車新聞6月14日掲載
開催日 | 2018年6月12日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 経済産業省 |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | 経産省 石油産業競争力研究会(第5回)配布資料 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/sekiyu_sangyo/005_haifu.html |