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2018年6月13日

部品メーカー129社 18年3月期、82社が増収増益 今期は米市場不透明に不安感

日刊自動車新聞がまとめた主要な上場部品メーカー129社の2018年3月期連結業績は、日系自動車各社が国内外で自動車生産を増やした効果などから全体的に好調だった。

129社合計の売上高は前期比8・5%増の45兆610億円、本業のもうけである営業利益が同15・6%増の3兆656億円となった。為替水準が円安ドル高に振れたことや、原価低減活動などの合理化効果もあった。前期から連結財務諸表を作成した1社を除く128社のうち、82社が増収増益となった。ただ、今期の業績見通しでは国際財務報告基準(IFRS)の適用を理由に対前期増減率を公表していない3社を除く126社中、増収増益の予想が71社にとどまる。想定為替水準を前期より円高ドル安に設定しているのに加え、先行き不透明な米国市場、米国の保護主義などによって業績の先行きに慎重な見方が広がっている。

128社のうち、9割以上を占める117社が18年3月期の売上高が増収となった。日産自動車が無資格者による完成検査問題で国内向けモデルの生産を一時停止したことで、部品の生産ラインの停止したサプライヤーもあったものの、業績への影響は限定的だった。海外事業では、米国新車市場でセダン系の販売が低迷したこともあってサプライヤー各社の米国事業は全体的に苦戦した。ただ、日系自動車各社が中国での自動車生産台数が好調だったことなどから、中国事業が増収だった部品メーカーも少なくない。

為替レートが17年3月期と比べて円安ドル高で推移したことも部品各社の好業績の追い風となった。
今期の業績予想は、129社合計の売上高が45兆9400億円、営業利益が3兆1122億円。全体の合計では増収増益の見込みだが、企業単位では増収増益が71社にとどまる。
今期の想定為替レートは1ドル=105円と、前期より円高ドル安に設定している。為替変動以外にも、米トランプ政権の保護主義的な通商政策、原材料価格の高騰などが、業績のリスクとなっている。ただ、電動化や自動運転などの研究開発投資を増やすなど、将来の成長分野には積極的な投資を継続する意向が目立つ。部品各社は将来に向けた投資と業績のバランスに悩むことになりそうだ。

※詳細は日刊自動車参照

日刊自動車新聞6月9日掲載

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