2018年6月11日
環境省、軽量化・高強度目指すナノセルロース自動車プロジェクトの成果報告会
環境省は6日、植物由来の次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を活用した軽量・高強度な自動車部品の実現に取り組む「NCV(ナノセルロース自動車)プロジェクト」の成果報告会を都内で開催した。
CNFを材料に使用して試作した外装部品などをトヨタ「86」に装着して展示、自動車分野におけるCNF活用の可能性を具体的に示した。今後、研究・開発成果を結集したコンセプトカーを製作、来秋の「東京モーターショー」で公開する。
試作部品は金沢工業大学がボンネット、利昌工業がトランクリッド、アイシン精機が吸気マニホールド、トヨタ紡織がドアトリムをそれぞれ手がけた。CNFを樹脂材料に配合した素材で部品をつくり、生産性や強度、耐熱性など検証、性能・品質の改善に取り組んだ。
CNF研究の第一人者で、同プロジェクトの代表事業機関を務める京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授は「2000年頃に研究を本格化したCNFがついに車の部品として形になった。今後は植物由来で地球環境に優しいCNFの特徴をいかした車づくりをコンセプト車で発信する」と述べ、CNF製部品の実用化に期待を示した。
NCVプロジェクトは2016年10月にスタート。自動車部品のサプライヤーや研究機関、大学など21機関が参加している。
日刊自動車新聞6月7日掲載
開催日 | 2018年6月6日 |
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カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
主催者 | 環境省 |
対象者 | 大学・専門学校,一般,自動車業界 |