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2018年6月5日

チャデモ協議会、高出力充電器実用化へ バス・トラックを想定

チャデモ協議会(志賀俊之会長)は、出力350キロワットの高出力型急速充電器の実用化に乗り出す。バスやトラックの電気自動車(EV)での利用を見込み、2019年にパンタグラフ型、20年にプラグ型の急速充電器の実用化に向けて規格を策定する。世界的なEVシフトを背景とした電池容量の拡大とともに、急速充電器の高出力化に対するニーズも高まっている。高出力型の規格化を通じて急速充電に関する主導権を握ることで、オールジャパンでEV開発を有利に進めるとともにEVの普及促進を支援していく。

新たに規格化を進める350キロワットの急速充電器は、バスやトラックなど大容量電池を搭載するEVでの利用を想定。まずは路線バスでの導入が見込まれるパンタグラフ型の充電方式に対応した規格を策定する。その後、一般的な充電方式であるプラグ型でも規格化を進めていく。

EV路線バスのパンタグラフ型は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がマレーシアで実証実験を行うほか、中国のBYDが19年の導入を計画するなど、今後の普及が見込まれている。さらに大容量電池を搭載したEV大型トラックなどの市場投入が本格化することも予測される。
ただ、乗用車での利用を想定した現状の急速充電器や17年に規格化した150キロワットの高出力型では、充電時間が大幅に伸びるといった課題がある。加えて急速充電器の高出力化は安全性の担保や排熱の問題など実用化が難しい。

このため同協議会ではこれまで蓄積した急速充電器に関する知見を生かして規格化を急ぐ。同時に中国と規格の統一化に向けた調整を進めるなど、高出力型の急速充電に関する主導権を握ることで日本のEV技術の競争力を下支えしていく。
急速充電の規格はチャデモ方式のほか、欧州主導の「コンボ」や中国の「GB/T」など、国や地域によって異なっている。チャデモは世界で1万8千基以上設置されており、世界最大のシェアを確保している。

日刊自動車新聞6月1日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

チャデモ協議会

対象者 自動車業界