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2018年5月26日

宮城県と花壇自大の自動車基礎研修、官民一体の人材教育定着 関連企業の集積も狙い

宮城県(村井嘉浩知事)とみやぎ自動車産業振興協議会、花壇自動車大学校(松野勝也校長)は16~18日の3日間、仙台市青葉区の同校で「自動車基礎研修」を開催した。

東北6県と北海道、新潟県の事業者を対象に参加を呼びかけ、今回は北海道と秋田、宮城、新潟の部品メーカー6社から20人が参加した。2012年に始まった同研修は、今年で7回目を迎えるが、当初からトヨタ自動車東日本(TMEJ、白根武史社長)が協力するなど官民が一体となった人材育成が特徴だ。地域の調達率向上や大手サプライヤーの進出など、東北地方への産業集積に伴い、同研修も定着してきた。

研修初日と2日目は、自動車産業の概要について学んだ後、花壇自動車大学校の教師が登壇してエンジンに関して講義した。TMEJが教材用に提供したエンジンを使って、エンジンの構造や役割を学んだ。3日目にはV型や水平対向など教材とは異なる構造のエンジンやスキャンツール(外部故障診断機)の使用方法、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)について理解を深めた。

一方、6月に予定する講義では、「トランスミッション」と「ディファレンシャル及びブレーキ」「サスペンション・ステアリング」の3種類のテーマに分かれて各装置、部品の詳細を学習する。
同研修は、地域の企業に自動車関連の業界動向を始め、各部位の機能、構造を理解してもらい、これからの業務に生かしてもらうために企画された。東北のものづくりを強化し、自動車関連企業の集積を図る狙いもある。
昨年の参加者からは「自動車メーカーと折衝する際に、深い議論をするきっかけになりそう」など、前向きな感想も聞かれた。

東北の自動車産業は、トヨタ系では旧セントラル自動車が11年に宮城工場を稼動し、12年に関東自動車工業と合併してTMEJが誕生。現在はトヨタグループのコンパクト車製造拠点としての役割を担っている。こうした自動車メーカーの生産拠点進出の動きに合わせて、部品メーカーの進出も相次ぎ、ここ数年は、地域の2次、3次メーカーの供給実績も高まっている。
宮城県と自動車産業振興協議会、花壇自動車大学校では、基礎研修へ対するニーズは根強いと見ており、今後も研修内容の進化と継続開催に努めていく。

日刊自動車新聞5月22日掲載

開催日 2018年5月16日
開催終了日 2018年5月18日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

宮城県、みやぎ自動車産業振興協議会、花壇自動車大学校

開催地 花壇自動車大学校(宮城県仙台市青葉区)
対象者 自動車業界