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2018年5月21日

経済産業省、次期エネルギー基本計画まとめ

経済産業省は16日、国の中期的なエネルギー戦略を示す「エネルギー基本計画」をまとめた。前計画と同様、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの徹底、火力発電の効率化、原発依存度の低減を進める。「パリ協定」の2050年目標を見据えた長期シナリオも盛り込んだ。7月にも閣議決定する。

総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の基本政策分科会が同日まとめた。同計画は根拠法に基づき、3年ごとに見直しており、今回で5回目の改訂だ。二酸化炭素(CO2)を出さないゼロエミッション電源の割合を増やすために、30年には再エネを22~44%(16年度15%)、原子力を20~22%(同2%)とし、主力電源に据える計画だ。また、再エネのコストを海外並みに引き下げるため、太陽光では入札制度によるコスト低減やトップランナー方式を使った調達価格の低下に取り組む。また、19年から固定価格買取制度(FIT)に基づく買い取り契約が終了する家庭などが出始めるため、蓄電池の低価格化を急ぐ。風力や地熱、水力でも環境アセスメントの迅速化やコスト削減などを進める。

今回の改訂では水素に関する記述を増やした。多様なエネルギー源から製造でき、貯蔵や運搬も可能という利点を引き出すため、昨年末に策定した「水素基本戦略」に基づき「製造、貯蔵・輸送、利用」までの一貫した国際サプライチェーン(供給網)の構築や水素発電の導入、燃料電池自動車(FCV)を中心としたモビリティー分野の需要拡大を加速させる。

省エネでは人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどの技術を駆使したり、データのオープン化も進め、新たな取り組みを促す。運輸部門では、次期燃費基準の策定を進めるとともに、電動化や自動化、サービス分野も踏まえた制度や社会インフラの整備、基盤技術開発の強化に向けた戦略をまとめる。
パリ協定の50年目標を見据えた長期シナリオも盛り込んだ。再エネや水素、CO2回収・貯留(CCS)、原子力など全方位で脱炭素化を目指す。

日刊自動車新聞5月17日掲載

開催日 2018年5月16日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

経済産業省

対象者 自動車業界