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2018年5月21日

HV販売好調、海外がけん引 17年度

■トヨタ過去最高、国内は一服感
トヨタ自動車とホンダがハイブリッド車(HV)の販売を堅調に伸ばしている。両社ともに2017年度のHV世界販売は、HVモデルを持つ新型車の投入や設定車種の拡大などで前年度実績を上回った。海外のHV販売が好調で、トヨタは欧州と中国で、ホンダは北米と中国で大きく伸びた。国内では新車効果の一巡もあって一服感が見られた。

トヨタのHV世界販売台数(レクサスブランド含む)は前年度比7・3%増の約154万台で過去最高だった。前年度実績超えは3年連続。ガソリン車など含めた世界販売に占めるHVの販売構成比(プラグインハイブリッド車含む)は16・3%を占めた。海外販売が3年連続の増加で過去最高を更新したが、国内販売は2年ぶりに減少した。
欧州ではHVモデルが好調で、17年度の欧州販売全体のけん引役だった。16年1月にHVを追加設定した「RAV4 HV」や17年発売の新型車「C―HR HV」のほか、「ヤリスHV」や「オーリスHV」が販売を伸ばした。
北米は「プリウス」の販売が伸び悩んだが、17年夏に全面改良した「カムリHV」やRAV4 HV、「ハイランダー」のHVモデルが堅調だった。その他は中国での販売が大半を占めており、17年4月にマイナーチェンジした「レビンHV」や「カローラHV」が通年で寄与した。

ホンダの17年度のHV販売台数は同17・4%増の26万2500台と2年連続で増加した。16年度に欧州で「ジャズHV(日本名フィット)」を販売終了したものの、過去最高の14年度実績(約26万9700台)に迫るまで伸びた。
北米では、16年度に一時停止していた「アコードHV」の販売を16年度下期の商品改良から再開したため増えた。また、アキュラブランド「MDX」にHVモデルを追加したことも増加要因となった。
中国はアコードHVと「スピリアHV」に加えて、17年9月に発売開始した「CR―V HV」の販売が好調だった。また、アジア大洋州でも「シティ」、ジャズHV、アコードHVが堅調に伸びた。

トヨタとホンダともに18年度も主要市場で新型車の投入を複数計画している。環境対応と燃費性能を武器にSUVなど人気車種にHVモデルを設定するなどして商品力の強化を進めており、HV販売の増勢はしばらく続くと見られる。

日刊自動車新聞5月17日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞

対象者 自動車業界