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2018年5月21日

浜松地域イノベーション推進機構、次世代自動車センター設立講演会

浜松地域イノベーション推進機構(山崎勝康理事長)は4月23日、同月に設立した次世代自動車センター(望月英二センター長)の設立記念講演会を浜松市内のホテルで開催した。講演会では河野太志経済産業省製造産業局自動車課長による基調講演とパネルディスカッションを行い、約460人の聴講者が車の自動化や電動化などの最新の動向を学んだ。また、来賓やパネリストはそれぞれの立場から輸送機器産業が取り組むべき対応や支援に対する考えなどを示した。

来賓には後藤収経済産業省関東経済産業局長、川勝平太静岡県知事、鈴木康友浜松市長らが出席。川勝知事は自動車業界の変革に対して「避けられないものであり、正面からぶつかる」と宣言し、「産業界、行政、学会が一体となったオール静岡、オール浜松で助けていく」と挨拶した。鈴木市長も「大激動の荒波を乗り切らなければ浜松の未来はない」と危機感を訴え「生き残るためには企業の枠組みを超えた連携とオープンイノベーションが必要になる」と述べた。

基調講演で河野課長は自動車技術の変革を指す「CASE」について「今までのプレーヤー、儲けの構造、市場の組み合わせが技術によって変わる」と述べた。しかし、具体的な時期やインパクトの度合いがハッキリ見通せない中で企業が「先行投資を徹底しないといけない」難しさがあると指摘した。これに対して、私見と前置きしたうえで「業界がCASEの方向に流れることを前提に戦略を取ることが大事」と語った。

パネルディスカッションは河野課長のほか島本誠ヤマハ発動機取締役、海老原次郎デンソー常務役員、波多野敦彦ASTI参与、荒木信幸静岡理工科大学名誉学長の5人が登壇した。完成車メーカー、サプライヤー、学識経験者と異なる立場からCASEについての考えや同センターに期待することを述べた。
その中で島本取締役は「電動化によって必要になる技術、機能が出てくる。精度の高いギアや音がしない技術、温度コントロールなど、うまくいくと大化けするポテンシャルを持っているのではないか」と述べ、個々の企業が持つ技術力の可能性について言及した。
また、海老原常務役員は「どんな技術、サービスが必要なのか。一つひとつに小さなプロジェクトが動くことが重要になる」と述べた。さらに「カーメーカー、ティア1、ティア2と縦の糸がしっかりつながり、小さなプロジェクトがいいテーマを見つける。それが地域が活性化するカギになる」と話した。

日刊自動車新聞5月15日掲載

開催日 2018年4月23日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

浜松地域イノベーション推進機構

開催地 浜松市
対象者 自動車業界