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2018年5月5日

日本EVクラブ、活動通じEVの魅力 もっと知って

日本EVクラブ(舘内端代表理事、東京都世田谷区)が地道な活動を続けている。電気自動車(EV)が身近になり、啓発の必要性が薄れたと思いきや、親子向けイベントなどは未だに定員を超える応募があるという。今月からはクラウドファンディングで資金を集め、急速充電に対応した「EVスーパーセブン」で東日本大震災の被災地をまわる。(秋田憲作)

日本EVクラブはエコカーの普及活動を行う市民団体として1994年にできた。市販車を改造した「コンバージョンEV」や電動レーシングカート(ERK)などの製作を始め、一般向けセミナーや中学生向け教室、筑波サーキット(茨城県下妻市)で毎年開く「日本EVフェスティバル」など、様々な活動を展開している。

今年3月からは「親子電気レーシングカート組立体験&最新EV試乗」を新たに始めた。文字どおり、親子でEVの仕組みや性能を体感してもらうものだ。初回は定員を超える応募があったため、急きょ4月にも開いた。環境省が2月の東北モーターショー会場で実施した環境啓発活動にも協力し、小学生を対象とした「電気レーシングカート“Kids ERK”教室」を企画。こちらも多くの親子連れで賑わった。
一般向けには、コンバージョンEVで全国を回り、実際のデータや体験をもとにEVの性能をPRしてきた。カタログ上の航続距離と実際に走れる距離の乖離(かいり)が問題視されかけた2009年には「EVミラ」を製作し、東京~大阪間(555・6キロメートル)を無充電で走破してEVの性能をPRした。13年には急速充電規格のCHAdeMO(チャデモ)を使えるEVスーパーセブンを製作し、急速充電しながら日本一周した。急速充電網は経済産業省や自治体が整備像を示しているが、あくまで机上の話。舘内代表理事は「急速充電器を増やして欲しい地域を関係者に知ってもらうためだった」と振り返る。

17日にスタートする「EVスーパーセブンで東北被災地を巡る旅」は、東京から千葉、茨城、福島、宮城、岩手を経由し、ゴールの青森県下北半島まで約1千キロメートルを15日間で走破する。途中、震災犠牲者の冥福を祈るライトアップ企画やミーティング、EVの給電機能を知ってもらう「EVキャンプ」などを各地で開く予定だ。舘内代表理事は「EVやPHV、FCV(燃料電池車)の給電機能で、災害時の救援活動に役立つ給電ネットワークが各地で形成できないか」と話す。
普及の途についたとはいえ、EVを日常的に使う人はまだ限られる。同クラブは今後も、実体験を通じてEVが持つ多彩な可能性を広く発信していく考えだ。同クラブでは、クラウドファンディングでEVスーパーセブンの旅への資金支援を呼びかけている。詳細はhttps://camp-fire.jp/projects/view/69163

日刊自動車新聞5月2日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日,展示会・講演会
主催者

日本EVクラブ

対象者 一般,自動車業界