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2018年4月26日

整備専業工場、エーミング作業になお課題 日刊自動車新聞調査

ディーラー系列以外の整備工場で先進安全技術のエーミング(機能調整)作業を行う環境が整いつつある。大手機械工具商社は作業準備を支援する機器を発売し、車体整備の業界団体は作業料金の目安に役立つ工数をまとめた。外部故障診断機(スキャンツール)メーカーは、レーダー波を反射させる「ターゲット」の汎用版を発売する予定だ。ただ、費用対効果や整備ミス時の責任問題など、エーミング作業をめぐる課題はなお残る。

バンザイ(柳田昌宏社長、東京都港区)は昨年末、エーミング作業を支援する「センターサポートナビ」「位置出しスタンド」を発売した。車両中心線の割り出しやターゲットを置く位置など、手間のかかる準備作業を効率的に行うことができる。
エーミング作業にはスキャンツールやターゲット、さらに一定のスペースが要る。独立系の工場にとって、ディーラーが使う専用機器の入手は難しく、汎用性を持つ機器への需要は高い。
ただ、ターゲットはメーカーや車種ごとに異なり、整備工場が全てをそろえるのは費用対効果の面からも現実的ではない。スキャンツールメーカーのAUTELは複数メーカーに対応するターゲットを開発した。フォルクスワーゲンやアウディ、メルセデス・ベンツ、トヨタ、ホンダなどに対応する。現在「日本での発売に向け、日本語化を進めている」(代理店のG―STYLE)という。

BSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)は、エーミング作業の料金算出に必要な作業工数を業界で初めてまとめた。第1弾として、トヨタ自動車「プリウス(ZVW50)」、同「PHV(ZVW52)」向けを冊子として組合員に配布する予定だ。

ただ、日刊自動車新聞社が実施した調査では「作業が必要な台数が月1台もない」(新潟県の板金専業)、「リスクを考えるとディーラーに任せた方がいい」(福岡県の兼業)といった声も多く寄せられた。エーミング作業を行う環境が整う一方で、多種多様な車種を扱い、整備情報の入手にも制約がある独立系整備工場がエーミング作業を手がける困難さも浮き彫りになっている。

日刊自動車新聞4月24日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞

対象者 自動車業界