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2018年4月6日

サイバーセキュリティー対策、20年以降各国で枠組み

自動車のサイバーセキュリティー対策が明らかになった。

安全基準を話し合う国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)がまとめるガイドラインに準拠している証明書の提出を自動車メーカーに義務付ける枠組みを各国が作る。自動操舵機能を備えた「レベル3」の技術基準が整う2020年以降に義務付けが始まる見通しだ。

テレマティクス(カーナビ向け情報サービス)や自動運転技術の普及で、自動車にもサイバーセキュリティー対策の必要性が増している。WP29は「自動運転分科会」で2015年11月から対策づくりに着手し、昨年3月にガイドラインが成立した。ガイドラインは、自動運転に用いる情報や通信技術を世界標準技術などを使って暗号化することや、車両制御系のネットワークが車外ネットワークの影響を受けないようにすること、ハッキング被害を受けた場合でも車両を暴走させず、安全に制御できる「セーフモード」の導入を義務付けた。

WP29は現在、自動運転分科会傘下に専門のタスクフォース(TF)を設け、ガイドラインに基づく技術要件作りを進めている。今年6月にも技術要件案をまとめ、分科会や上部組織の承認を受けた後、WP29総会で正式に成立する段取りで、加盟国への周知期間を経て発効する見通し。日本や欧州など加盟国は、新たな枠組みを国内法に反映させ、実際の制度がスタートする。
WP29は「レベル3」以降の車両をにらみ、国際技術基準づくりを急いでいる。今年3月には、ハンドルを握ったまま運転者のウインカー操作を起点に車線を変更する装置に関する基準を成立させた。運転者のハンドル操作を優先させることや、変更先車線の後方から他車が接近してきた場合は車線変更を中止することなどを規定する。今はハンドルから手を離した状態での自動車線維持や変更に関する国際基準の議論を進めており、運転者の状態を常に監視し、居眠りなどをしていれば警告したり、作動限界前後の車両挙動データを保存する方向性が固まっている。

日刊自動車新聞4月5日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

自動車基準調和世界フォーラム(WP29)

対象者 自動車業界