2026年10月27日
〈ひと〉経済産業省 製造産業局自動車戦略企画室長に就いた羽原健雄さん
2017年から約2年、自動車課で課長補佐を務めた。当時は各国が電気自動車(EV)シフトを打ち出し、テスラのイーロン・マスクCEOは工場に寝泊まりしEV生産に勤しんでいた。「必要なコンポーネントとして電池が絶対くる」と、電池・次世代技術室で研究開発支援などに関わった。
商務情報政策局情報産業課では半導体を担当。台湾積体電路製造(TSMC)の国内誘致など、工場への大規模支援を起爆剤に経済波及効果を生む流れに「政策の転換期にいると感じた」と振り返る。
再び自動車政策に関わる今回は「産業政策の国際競争の時代になってきた」と、変化を実感する。各国が自国優先の産業政策を打ち出す中、「産業界と一緒になって政策やビジネスの進め方を考えることが重要だ」と、産業界との対話を重視する。
足元では、欧州連合(EU)の「産業加速法案」を巡り、日本製自動車の優遇対象からの除外が懸念される。「日欧のサプライチェーンを全部見直すことにもなりかねず、双方に大きな影響がある。しっかりと意見を言っていかなければならない」と、注力する分野の一つに挙げる。
「日本は自動車産業を持っている国なので、各国が望むさまざまな車を提供できる環境を確保しておくべき」とも話す。「大型化するほど電池が重く、高くなるので、水素が適してくる面もある」と、「マルチパスウェイ」で水素のコスト低減にも取り組む考え。
国内市場では、26年4~9月の乗用車販売に占めるEV比率が3.7%と過去最高を更新。「各社のラインアップが魅力的になってきていることとCEV補助金がかみ合い、販売比率が高まってきた」。補助金制度の在り方については「空白期間ができると各社の生産計画が狂い、消費者も混乱するので安定的な供給へ丁寧にやっていく」と説明する。
自身を「仕事人間」と評する。「政策として意義のあるもの、やったほうがいいことを受け身にならず進めていきたい」と力を込める。
〈プロフィル〉はばら・たけお 大阪大学工学部社会基盤工学専攻卒業後、2008年経済産業省入省。17年製造産業局自動車課課長補佐、19年内閣官房内閣総務官室副参事官、21年商務情報政策局情報産業課総括補佐、24年大臣官房総務課政策企画委員などを経て、26年7月から現職。東京都出身。
日刊自動車新聞10月27日掲載












