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2026年10月21日

CEV補助金の「空白期間」回避 自動車業界からは歓迎の声 補助額など制度変更による混乱の懸念も

電気自動車(EV)などの補助を巡る“空白期間”が政府の遡及(そきゅう)適用措置で回避される見通しとなった。日本でも上向いてきたEV販売に水を差す可能性が薄れ、自動車業界からは「配慮に感謝している」(自動車メーカー役員)との声が出る。ただ、1月以降の補助額は現行の6~8割に抑えられ、来年度予算の成立後は補助の要件や補助額が再び見直される。単年度で予算を組む以上はやむを得ない側面もあるが、「補助額がコロコロと変わると顧客にも販売現場にも混乱を招く」と戸惑う声もある。

遡及適用は、裏付けとなる予算が国会で承認される前に使途を公表する異例の措置だが、前例がないわけではない。リーマンショックを踏まえた経済対策として2009年6月に申請受け付けが始まったエコカー補助金では、2カ月前の新規登録分から補助金を支給し、11年のエコカー補助金でも遡及措置を導入した。いずれも、補助金を当て込んだ買い控えを防ぎ、需要変動を防いで販売や生産現場の混乱を抑える狙いがあった。

ただ、今回の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の場合、遡及分の補助額は現行より目減りし、補助金の支給も予算の成立後になる。「(補助金が)ゼロになるよりはありがたい」「燃料高でEVを購入する理由があるので販売はそこまで落ちないのでは」との声もあるが、車種によっては受注の逆風になるかもしれない。

例えば、トヨタ自動車「bZ4X」には現在、補助金が130万円支給されている。車両価格(消費税込み)が480万円のモデルなら、車格の近いSUV「RAV4」のハイブリッド車(450万~490万円)よりも安く購入できるとトヨタ系ディーラーは顧客にアピールしている。補助額が78万円になれば、こうした提案は難しくなる。あるトヨタ系販売会社のトップは「EVの販売戦略を練り直す必要がある」と話す。

一方、もともと補助額が少ない車種には追い風になりうる。競合車種との価格差が縮まるためだ。「BYD車は一律で15万円だったので減額の影響は小さい」と話すBYDディーラーの幹部は「差額が埋まれば、商品力で十分戦える。品質には自信がある」と付け加えた。

遡及適用は27年度予算に基づく新制度が始まるまでの暫定的な対応で、27年度分の評価項目や補助額は来春に決まる。遡及適用分と27年度分の補助額に大きな開きがあれば顧客を戸惑わせる要因にもなる。

業界からは「政府は早めにアナウンスし、顧客に説明できるようにしてほしい」といった要望が出ている。EVやプラグインハイブリッド車の普及に弾みをつけるためには、CEV補助金もきめ細かい告知や工夫が求められるところだ。

補助金によって国産EVの売れ行きが好調だ(ホンダ「スーパーワン」)

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 10月21日掲載