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自動車産業インフォメーション

2026年10月9日

タイ洪水で自動車メーカーの稼働停止続く タイ生産車の輸入停止で好調な国内市場にも影響の可能性

9月下旬に発生したタイの豪雨による洪水影響で自動車メーカーの稼働停止が長引いている。各社とも工場は被災していないものの、部品メーカーの被災や物流停滞などサプライチェーン(供給網)の寸断で生産停止を余儀なくされている。東南アジア最大の自動車産業集積地であるタイでは、日本市場向けの車両も一部生産しており、国内新車販売にも影響が及びそうだ。

タイにはトヨタ自動車をはじめ、日産自動車、ホンダ、マツダ、三菱自動車、いすゞ自動車、日野自動車など多くの自動車メーカーと、関連する部品メーカーが工場を構える。

トヨタは、現地のサムロン工場、バーンポー工場、ゲートウェイ工場の3工場について9月28日から稼働を停止している。現時点で10月10日までの停止を計画しているが、その後の稼働計画は未定だ。タイでは日本向けの「ハイラックス」や「ランドクルーザーFJ」を生産している。中でも今年5月に発売したFJは国内で引き合いが強く、需給が逼迫(ひっぱく)しているだけに、稼働停止の影響が懸念される。トヨタ車体現地子会社のトヨタオートワークスも同様に10月10日までの停止を計画している。

三菱自もタイで生産する「トライトン」を日本に輸出する。9月29日夜勤から10月9日夜勤まで停止する予定で、12日以降の稼働については、サプライヤーの復旧状況などを見て判断するという。

ホンダも四輪車工場は9日まで停止する。二輪車工場は9月28、29日に停止したが、30日から稼働を再開している。いすゞは2工場とも10月8日まで停止するが、10日には生産を再開する予定。日野は10日まで稼働を停止する。日産は部品調達に直接的な影響がなく稼働を継続している。

主要サプライヤーでは、設備浸水による生産停止など、大きな影響は確認されていないようだ。ただ、自動車メーカーの稼働状況に応じた生産調整や、従業員の出勤困難などが影響する可能性があり、各社が確認を進めている。

デンソーは、従業員の安全確保など状況を注視しながら工場を稼働しているという。豊田合成も生産を継続しており、自社被害は確認されていないとする。ジェイテクトも大きな影響はなく生産を継続しているが、仕入れ先の被害状況を確認中という。

トヨタ紡織も自社の被害はないものの、車両生産の稼働に応じて生産している状況だ。バンコク近隣の工業地帯にある孫会社では浸水被害が発生したが、生産継続に大きな影響を与える規模ではないとしている。

オートリブは現地のエアバッグ工場が影響を受け、生産を一時停止した。工場の安全および各設備などを十分確認した上で、生産再開へ準備を進めているという。

ミネベアミツミは、調達先の一部に影響があったものの、生産活動に特段の支障は出ていないという。

タイでは、2011年にも大規模な洪水被害が発生した。あるサプライヤーの担当者は「各社とも当時の教訓から、浸水対応のハードを準備したり、安全優先のための早めの操業停止などマニュアルも整備しているのではないか」と話す。

現在は各社ともサプライチェーンへの影響を注視しており、どの程度波及するかが焦点となりそうだ。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月9日掲載