2026年9月16日
トヨタ、自家用車のドライブレコーダー映像を消防活動に 豊田市消防本部での実証を初公開
トヨタ自動車は、ドライブレコーダー映像を消防活動に生かす取り組みとして、自家用車を対象に実証実験を行っている。現場付近を走行するトヨタおよびレクサス車に搭載するドライブレコーダーの映像を取得し、消防署の指令センターで映像を確認できる仕組みだ。通常の音声通報に比べ、現場の状況をより詳細に把握できる。交通事故や火災発生時などの適切な初動対応に役立つ取り組みとして今後、事業化を目指していく。
9月14日、共同で実証を行う豊田市消防本部の指令室の様子を、報道陣向けに初めて公開した。指令室にトヨタが開発した映像確認システム「ドライブレコーダー119」を導入。同市消防本部が119番通報を受けた際、付近を走行した対象車両のドライブレコーダーから15秒間の映像を確認できる。
通常の交通事故や火災発生時は、消防署の指令センターが通報者から音声で現場の様子を確認する。一方、実証では、オペレーターが直接映像を確認するため、事故現場の様子や発生場所などの情報をより具体的に得ることができる。
実際に同市消防本部では、6月1日から8月31日までの3カ月間で21件の映像を実際の業務に活用した。ある交通事故では、通報者の音声情報では分からなかった事故車両の横転を映像で確認できたという。燃料漏れによる火災リスクを考慮し早期に消防車を派遣するなど、的確な初動対応につながった。同市消防本部のオペレーターの手塚俊介消防士長は「交通事故の通報時には、まずドライブレコーダー119の映像がないかを探す。現場付近の渋滞の状況が分かれば、緊急車両に最短で到着する経路を指示することもできる」と効果を述べる。
トヨタは交通死亡事故の減少を目的に、2023年から堺市など複数の自治体と同様の取り組みを実施してきた。これまではバスやタクシーなど事業用車両のドライブレコーダーを活用しており、一般ユーザーの自家用車から映像を取得するのは今回が初めてとなる。映像はトヨタおよびレクサス車の一部車種のうち、実証への参加を希望したユーザーから取得している。参加者はトヨタの従業員や豊田市民などから募っており、8月末時点で約1300人が参加しているという。
トヨタではこの取り組みの事業化を目指しており、将来的にシステムを消防署に販売し、導入およびランニングコストを得るビジネスモデルを想定する。豊田市に導入したシステムでは他自治体の先行事例で得た改善点を盛り込んだほか、豊田市消防本部から運用時のフィードバックを受けているという。新事業企画部の小池優仁さんは「事故だけでなく、自然災害や火災時の現状把握にも活用できる。実証の参加者は3000人を目指しているので、今後も協力してくれるユーザーを増やしていきたい」と語る。豊田市での実証期間は5月1日から27年3月末までを予定しており、本格的な社会実装に向けた知見を蓄積していく考えだ。
| 対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 9月16日掲載













