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2026年7月16日

自工会の共同物流、2028年スタート 「帰り便」活用など行動プラン策定へ

 日本自動車工業会(自工会、佐藤恒治会長)は、物流効率化に関するアクションプランをまとめる。2028年に完成車から業界内の共同物流を始める方針で、今年の8月末までにプランの成立性を検証し、9月末には「ありたい姿」の実現に向けたプランを具体化する。機密情報の扱いやデータ標準化といった課題にも対応し、他業界とも連携して共同物流の輪を広げていく考えだ。

 自工会は、28年に完成車から業界内の共同物流を始める方針を掲げる。「帰り便」の活用など、完成車物流の協業に取り組むほか、用品・補修品物流などでも協業事例を積み重ね、業界間の連携を加速させていく。中古車や輸入車業界との協業も模索する。

 アクションプランの期間は3年を想定。想定されるタスクとして、自動車メーカー間の作業の標準化や輸送会社との連携といった共同物流のオペレーション、機密情報保持といった仕組みづくり、標準化などの「データプラットフォーム」を挙げる。

 自工会によると、完成車物流における帰り便の活用は、現在、約3割にとどまっている。「新車をいつ、どこへ運ぶかは機密情報になる」(自工会)ため、利用率を高めるには、機密情報保持などの仕組みづくりが急がれる。現在は、過去の物流データを基に、何割まで利用率を上げられるかシミュレーションしており、今後はKPI(評価指標)の設定を含め、検討していく。

 これまでもトヨタ自動車などは、複数のサプライヤー間を1台のトラックが集荷して回る「ミルクラン」方式を導入するなど、物流の効率化に取り組んできたが、輸送力の減少が見込まれる中、個社での取り組みでは限界もある。自工会の饗庭龍次氏(トヨタ自動車TPS本部長)は、経済産業省と国土交通省が事務局を務める「フィジカルインターネット(PI)実現会議」で「本格的に加速させる必要がある」と述べ、メーカー間の連携に力を入れる考えを示した。

 このほど立ち上げた「自動車ワーキンググループ(WG)」では、化学品や家電など各業界のWGとも連携していく。6月に始動した自工会の「共同物流タスクフォース」をPI実現会議に組み込んだ上で、自動車WGが各業界のWGとも連携し、物流データの見える化や協業領域の拡大を目指す。

 運転手不足への対応や労働環境の改善、相次ぐ自然災害への対応など、物流を取り巻く環境には課題も多い。強靭なサプライチェーン(供給網)を支える持続的な物流の実現へ、活動の広がりが期待される。


政府による「フィジカル インターネット実現会議」

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月16日掲載