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2026年7月13日

日本損害保険協会、石川耕治新会長に聞く 顧客本位の体制整備や不正行為の撲滅に力

 損害保険業界では、代理店が課題の発見や解決に取り組める「自己点検チェックシート」の本格運用が始まった。改正保険業法も施行され、今後に控える比較推奨販売の規制強化など、変革への動きが相次いでいる。6月30日に日本損害保険協会(損保協)の会長に選出された石川耕治氏(損害保険ジャパン社長)は、顧客本位の体制整備や不正行為の撲滅に力を入れる方針を示す。


          石川会長

 ―4月から始まった自己点検チェックシートについて、モーター代理店から負担が重いという声が聞かれる

 「そういう声があるのは認識している。ただ、代理店が意向把握などの手続きを自己完結できているかを確認することは大原則だ。それをベースに、損保会社の担当者と課題や体制構築について話し合い、経営決断をするきっかけにするのが、自己点検チェックシートの役割だ。品質向上の入り口になるので、各代理店はぜひ実施してほしい」

 ―代理店の意見も踏まえて改善した点はあるか

 「取り扱う商品によって、負担を軽減する措置を取っている。例えば、自動車損害賠償責任(自賠責)保険しか手掛けていない兼業代理店には、質問項目を少なくして簡便化したチェックシートを提供している。運用の改善は不断に行っていく」

 ―金融庁は比較推奨販売の規制強化に向けた調整をしているが、6月の改正保険業法の施行には間に合わなかった

 「パブリックコメント(意見募集)に対して有識者、消費者、整備業界、損保業界などから、さまざまな意見が出たのだろう。われわれとしても、代理店へ実務向けのガイドラインを発行していく方針だ」

 ―ガイドラインの発行はいつになるのか

 「金融庁がパブコメへの回答をして、新たな監督指針が施行された後になる。今回の指針改正は、注目度が高い。代理店も体制を整備したいと思っているだろうが、どの施策にリソースを割けばいいか迷っているケースも多いのではないか。損保協としても、的確に効率よく比較推奨販売の体制を整備できるよう支援をしていきたい」

 ―損保業界では不祥事が相次いだが、法令順守の意識をどのように醸成していくのか
 
 「損保ジャパンも3つの業務改善命令を受け、業務改善計画に盛り込んだ各施策に取り組んでいる。業務改善命令を受けた会員各社も同様に、役職員が一丸となっていると認識している」

 ―損保協は保険金の不正請求対策として不正事案の情報共有を強化する方針だが、各社は有効活用できるのか

 「損保ジャパンとしても、(水増し請求疑惑で停止した入庫誘導を追加調査せずに再開した)旧ビッグモーター問題を反省し、不正対応に取り組んでいる。例えば、不正請求の疑義を発見し、調査する専門部署をつくった。これらの施策が不完全であれば、業務改善計画を完遂できない」

 ―損保各社は工賃算出に用いる「指数対応単価」を引き上げているが、整備事業者から十分でないとの声も上がる

 「個社の算定方針については、経営方針に関わることなのでコメントする立場にない。ただ、物価高騰や車両技術の高度化、法令順守へのコストが増加しているのは認識しており、誠実に単価交渉に臨む必要がある」

 <プロフィル>いしかわ・こうじ 1991年中央大学商学部卒、安田火災海上保険(現損保ジャパン)入社。2018年4月SOMPOホールディングス秘書部長、23年9月損保ジャパン副社長。24年2月社長。損保協では26年6月末から会長。1968年12月生まれ、57歳。千葉県出身。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月13日掲載