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2026年6月25日

経産省、取引適正化へ「振興基準」改正 知財や金型保管の違反例示 価格転嫁による人事不利益防止の規定も

金型の無償保管などで公取委から勧告を受ける事例が多発している(イメージ)

経済産業省は6月24日、受託中小企業振興法(振興法)で定める発注側・受託側に求める基準である「振興基準」を改正した。知的財産の取り引きや、近年、勧告件数が増えている金型の無償保管における違反事例を例示した。また、価格転嫁を実行した発注企業の調達担当者が人事評価などで不利益を被らないように新たな規定も設けた。同改正により、適正取引化をさらに後押ししていく狙いだ。

公正取引委員会(公取委)、中小企業庁、特許庁は同日、「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」を公表した。これを踏まえ、経産省は振興法の振興基準の改正を実施した。

振興基準は、発注側・受注側双方に取引条件の改善や契約条件の明確化などを求めるもの。「パートナーシップ構築宣言」に登録している企業は、同基準の順守が必須となる。今年1月に改正したが、下請代金支払遅延等防止法(下請法、現・中小受託取引適正化法)の違反事例が後を絶たないことから、再度、改正を実施した。

発注側が受注側に対し、知的財産権を有する成果物を無償で提供させることは違反行為であり、該当する事例などを追記した。また、金型関連では、設計図に加え、加工データの無償提供要請なども違反であるとした。型等の保管費用に関しても、保管期間に応じて支払う必要があると明記した。

価格転嫁を浸透させるには、経営層だけでなく、現場担当者の取り組みも重要となる。今改正では、価格転嫁を行った調達担当者などが、該当行為を理由に不当な人事評価を受けないよう、正当な評価制度の整備を企業に求める旨も加えた。

自動車業界では、金型の無償保管や“買いたたき”行為で公取委から勧告を受ける事例が多発している。違反行為を振興基準内で明記することにより、適正取引の遵守を促していく。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月25日掲載