INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2026年6月5日

水素トラックの幹線輸送で水素需要拡大へ 「水素大動脈構想実現会議」を初開催 官民連携で社会実装

経済産業省は6月4日、都内で「水素大動脈構想実現会議」を初開催した。同構想は水素トラックによる幹線輸送を起点に水素需要を創出し、他産業への水素利用波及を目指す。会議には水素導入支援を積極化する東京都をはじめ水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)などの団体が参加し、水素の社会実装と水素産業の持続的成長に向けて官民連携で取り組んでいくことを確認した。


水素大動脈構想実現会議で挨拶するJH2Aの佐藤恒治会長

水素大動脈構想では、水素を燃料とする燃料電池(FC)トラックの幹線輸送を通じて水素利用のスキームを確立し、その実績を踏まえて鉄鋼や発電など他産業への社会実装につなげていくことを目指す。日本自動車工業会(自工会)は同構想に賛同し、今後10年間で水素大型トラックを1500台、水素ステーションを現状から30基増やす具体的な目標を打ち出す。

構想実現会議は、これまで分野ごとに分かれていた水素関連団体を横断して、政府、自治体、産業界が集まって全体を取りまとめる会議として設置した。初会合では「モビリティWG(ワーキンググループ)」を設置し、集中的なFCトラック投入に向けた具体的な議論を進めて行く方針を決めた。

構想実行の中核を担うのがJH2Aだ。2022年4月に設立し、現在543社・団体が参画。業界を横断して水素サプライチェーン(供給網)を俯瞰(ふかん)し、早期の水素社会実現を目指す。5月28日には水素活用拡大に向けた政策提言を高市早苗首相に手渡し、政府の支援を求めた。

JH2Aは6月4日、「水素1%調達宣言」を公表した。会員企業62社・団体が参画し、「輸送」「燃料」「原料」に準ずる調達のうち1%について水素を活用していく宣言を行った。

JH2Aの佐藤恒治会長(トヨタ自動車副会長)は「水素の社会実装を進めていく中で、民間だけでは解決できない基準、規制の問題がある。今回の枠組みは(水素社会実装の)スピードを上げていく上で非常に重要だ」と述べた。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月5日掲載