2026年6月4日
〈欧州ELV規則〉自動車への再プラ本格活用待ったなし 使用比率は施行後6年以内に15%、10年以内に25%
自動車の再生プラスチック使用量を定める「欧州ELV(使用済み自動車)規則」の内容がまとまった。数度の検討を経て2026年2月に合意された最終条文案では、欧州で販売する車種に用いる再プラの比率を施行後6年以内に15%、10年以内に25%とする段階的な移行策で決着。このうち20%を廃車由来の再プラとすることも決まった。数値目標は規則案の浮上当初に比べて緩和されたものの、追従する国内自動車産業にとっては依然として高いハードルだ。欧州勢が再プラ利活用の実績を積み上げ、中国勢の存在感も増す中、対抗への道のりは平坦ではない。
欧州ELV規則案が最初に浮上したのは23年。欧州委員会が提出したもので、その内容は31年時点で自動車に使用するプラスチックの25%を再プラに、さらにこのうち25%(全体の6.25%)を廃車由来の再プラにするというものだった。
最終条文案の目標は、当初案に比べ緩和されたとはいえ、依然として野心的な数値が掲げられている背景には、欧州において再プラ利活用に向けての土壌がすでに整っていることが挙げられる。自動車業界のバリューチェーン変革に詳しいPwCコンサルティングの細井裕介ディレクターは「欧州には静脈産業のメジャーが存在し、プラスチックの再生技術で先行するなど、一定程度の下地があった」と指摘する。
欧州委案の提出に先駆ける22年5月、フォルヴィアが自動車内装向け再生プラスチック利用法の開発に乗り出すと発表したのは、その一例だ。23年には量産を開始した。取り組みに当たっては、水処理や産業廃棄物処理など資源循環ビジネスで欧州最大手のヴェオリアが協業パートナーとなった。使用済みプラの回収プロセスや、再資源化に当たっての採算性、自動車産業への供給など、すでに実績のある事業者が資源循環の輪に入ることで、再プラ利活用に具体的なめどが立った。
実際、ルノーが25年9月に全面改良して発表した「クリオ」(日本販売名「ルーテシア」)には、再プラを40%使用したインストルメントパネルとセンターコンソールをフォルヴィアが納入した。クリオは欧州販売が年間20万台を超えるルノーの最量販車種。これが大量の再プラを安定供給できる体制が構築されつつあることの証左となった。
このほか、ボルボ・カーズやBMWなどの各欧州メーカーも、欧州委案に先駆けて再プラ利活用の拡大を表明。BMWが21年に投入した電気自動車(EV)「ⅰX」では、1台当たりの再プラ使用量が60キログラムに達した。


再プラを40%使用のインパネなどを採用したルノー「クリオ」

2021年に発売されたBMW「iX」の1台当たりの再プラ使用量は60キログラムに達した
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞6月4日掲載











