2026年5月22日
ホンダの新型EV「スーパーワン」 先行予約は計画超えの7000台 補助金で東京都なら150万円程度で購入可能
ホンダの新型電気自動車(EV)「スーパーワン」が好調なスタートを切った。4月16日から開始した先行予約が計画を上回る7000台となった。新型車は、EVでもガソリン車のような運転感覚を楽しめる。中国での苦戦や北米向けEVの一部計画中止など、四輪事業の立て直しが急務となる中、同社にとって国内市場の強化は欠かせない。「ホンダらしさ」を具現化した新型車で国内でのブランド価値向上を実現できるか。
■50歳代男性中心に支持
「ドライバーの感性を揺さぶり、『この車が欲しい』と思う1台だ」。川坂英生日本統括部長は、スーパーワンの仕上がりに自信を示す。同モデルは1983年に発売した「シティターボII」(通称ブルドッグ)をオマージュした小型EVだ。軽EV「N-ONE e:(エヌワンイー)」の部品やプラットフォームを活用し、小型EVで運転する楽しさを実現した。
若い頃にホンダのハッチバック車を愛用していた50歳代男性をメインターゲットと位置付ける。先行予約時点でも80~90%が男性、半数以上が50歳代が占め、想定通りのユーザーを取り込んでいる。サブターゲットには20歳代前半の男性を設定し、若年層の獲得にも力を入れる。販売計画は年間1万台と販売店に通達しており、発売前の約1カ月でそれに迫る予約を獲得した。
安価な価格も支持される理由の一つだ。価格は339万200円(消費税込み)で、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(CEV補助金)が満額の130万円支給される。各地自体の補助金も踏まえると、150万円程度(東京都の場合)で購入できる。エヌワンイーの正規価格を下回る“お買い得感”も好調な先行予約の後押しとなった。
ホンダは2024~25年度にかけて「N-VAN e:(エヌバンイー)」、エヌワンイーを投入。26年4月には中国製EV「インサイト」を発売し、EVラインアップを拡充している。国内でのEV市場は「30年度には8%」(川坂日本統括部長)と緩やかな成長を見込んでおり、継続的にEVを投入し普及促進を図る。
■台数よりもブランド価値
EV関連損失により、大幅赤字となったホンダの26年3月期。四輪事業立て直しに向け、次世代のハイブリッドシステムと先進運転支援システム(ADAS)搭載モデルの投入に加え、北米・日本・インドを注力市場と位置付ける。日本では「スポーツ/トレイル」ラインといった高付加価値モデルを拡充。登録車を中心に強化し、収益向上を図る考えだ。EVもインサイトやスーパーワンといった登録車を増やし、登録車比率の向上を目指す。
ホンダにとって、国内も安泰な市場とは言い切れない。25年度の国内販売台数は60万9209台で、スズキ(72万5008台)に次ぐ3番手となった。川坂日本統括部長は「日本は単純に台数やシェアを追い求める場ではない」と話す。ホンダらしさを軸とした商品展開でブランド価値向上を優先し、ホンダファンや新規ユーザーを着実に取り組んでいく考えだ。
大規模な販売台数は見込めないものの、スーパーワンはホンダブランドを象徴する1台として、国内販売の活性化につながるモデルと言える。同モデルを皮切りとしたホンダのブランド戦略が注目される。
| 対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 5月22日掲載











