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2026年5月22日

自工会が会見 水素需要を大型トラックでけん引 完成車の共同物流で効率化 競争力強化へ自動車メーカーの連携加速

日本自動車工業会(自工会、佐藤恒治会長)は5月21日、都内で記者会見を開き、国内物流を軸としたエネルギー安全保障や共同輸送による効率化で連携を強化する方針を示した。エネルギー安全保障では水素トラックの普及台数などの具体的な目標を掲げ、共同物流では各自動車メーカーが連携して効率的な完成車物流の仕組みを構築する。国際競争が激化する中、日本の自動車産業の競争力維持、強化に向けた連携を加速させる。

自工会では、産業を取り巻く環境が激変する中で最優先で取り組むべき課題として「重要資源・部品の安全保障」など7つの課題を掲げている。佐藤会長は「自動車産業では、サプライチェーン(供給網)を確保し、多様化するエネルギーに対してしっかりと準備することがますます重要になる」と述べ、自工会として協調領域を精査、拡大していく考えを示した。

同日、開催した理事会で決定した具体的なプロジェクトは「幹線輸送での水素トラックの普及」「共同物流実装に向けた標準プラットフォーム(PF)構築」「産業の魅力向上に向けたカレンダー変更」の3つ。水素エネルギーの分野では、官民連携で進める「水素大動脈構想」に沿って、国内での水素利用量拡大をモビリティ領域で先導する方針だ。今後10年間で水素大型トラックを1500台、水素ステーションを現状から30基増、水素価格をキログラム当たり1000円とする目標も掲げた。

共同物流では自動車メーカー間の連携を強化する。各社の物流データからシミュレーションを実施し、今夏をめどに物流効率化の効果を可視化させる。まずは完成車物流における帰り便(逆物流)の活用を進め、28年末をめどに体系的な仕組みを構築。同様の取り組みは用品や補修品物流にも広げていく方針だ。

働き方改革と人材確保の取り組みの一環として、いわゆる「業界カレンダー」の見直しにも着手する。27年度から、祝日で稼働日となっている1月10日(成人の日)と9月20日(敬老の日)の2日間を休日とし、5月の大型連休の平日を稼働日に変更することを決めた。

会見では、足元の中東情勢緊迫化に伴うサプライチェーンの影響についても説明した。佐藤会長は「全体としての(材料)供給は見通しが立っている」と前置きしつつも「パイプライン全体で目詰まりを起こさないような丁寧な対応が必要」と述べた。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 5月22日掲載