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2026年4月27日

トヨタ、自家用車のドライブレコーダー映像を消防活動に 豊田市で全国初実証 従業員や市民など3000台規模で

トヨタ自動車は、自家用車のドライブレコーダーから得られた映像を、消防活動などに活用する実証を、豊田市と共同で行う。すでに堺市などで事業用車両を活用した同様の実証を行ってきたが、自家用車では初めて。市内に通勤する従業員のほか、販売店を通じて参加する市民を広く募る。約3000台規模での実証を目指す。期間は5月1日から2027年3月31日まで。

今回対象となるのは、22年以降に発売されたトヨタおよびレクサスの一部車両で、計19車種。同社のコネクテッドサービスに加入しており、後付けではなく車載カメラを使ったドライブレコーダーを搭載している必要がある。同社のサイト上で映像の使用に同意した参加者には、謝礼金を支払う。

実証では、トヨタが開発した「ドライブレコーダー119」を消防本部に導入する。同システムは、119番通報を受けた際に、現場付近を走行する車両のドライブレコーダーの映像を確認できる。

火災や交通事故などの災害現場では、通報者が焦りから状況をうまく伝えられず、音声情報のみでは災害の規模を把握できないケースがある。このため、オペレーターが必要と判断した場合に、事前に了承を得た車両を地図上で選択し、15秒間の映像を取得する。

出動前に現場の状況を正確に把握できれば、災害状況に適した消防隊の派遣が可能になる。すでにシステムを実装している堺市では、映像からドクターカーを即座に要請し、医師による医療行為を15分早めて救命につなげた。また、火災現場での適切な導線の設定にも役立てられているという。

トヨタは、交通死亡事故を低減するため、新規事業としてドライブレコーダー119の取り組みを23年から開始した。堺市を皮切りに、京都、岡山、川崎市で実証を行っている。一方、バスやタクシー、トラックなどの事業用車両では、稼働する時間や範囲が限られる。自家用車も実証に加えることで、各車両との適切な連携方法などを検証していく。実装段階では、消防署にシステムを販売し、導入およびランニングコストを得る事業モデルを想定する。

太田稔彦市長は「豊田市はみんなで命を守る町を掲げている。市民参加型であることに、市として意義を感じている」と強調した。トヨタ自動車事業開発本部の中西勇太本部長は、「今回の取り組みは、社会インフラと連動することで、クルマの価値、バリューを社会に提供するもの。交通事故を無くすための仲間の輪を広げていく」と述べた。同社は今後、実証エリアの拡大とともに、他の自動車メーカーにも協力を呼び掛けていく考えだ。

ドライブレコーダー119は、日本自動車会議所(豊田章男会長)が実施した第5回「クルマ・文化・社会・パートナーシップ大賞」(CSP大賞)で、「選考委員特別賞」を受賞している。

説明会に出席した太田稔彦市長(左)とトヨタ自動車事業開発本部の中西勇太本部長(右)

実証の対象となる車両はトヨタおよびレクサスの計19車種(写真はクラウンクロスオーバー)

ドライブレコーダー119では事故現場の映像を消防署のオペレーターが確認できる

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞 4月27日掲載