2026年4月21日
「パールホワイトがなくなった」車体整備の塗料・シンナー在庫不足じわり 供給目詰まりは解消見込みだが…
中東情勢悪化に起因する塗料やシンナー不足の影響が、車体整備工場でじわじわと広がり続けている。政府は塗料メーカーの生産抑制などによって“目詰まり”が生じているとし、その解消に向けて対策を進めている。しかし、いったん支障が出たサプライチェーン(供給網)が回復するまでには、一定の時間がかかるとみられる。足元の在庫に限りがある中で、車体整備の現場では作業ができなくなる事態と隣り合わせの状況が続いている。
塗料やシンナーは車体整備に欠かせない
「パールホワイトの在庫が切れた」。首都圏のある車体整備事業者の経営者は、頭を抱える。米アクサルタ・コーティング・システムズの「自動車人気色調査報告書」の2024年版によると、パールホワイトは国内で最も人気がある車体色。人気の度合いを示す数値は29%で、他の色を大きく上回っており、車体整備の現場にも頻繁に入庫している。実際、「体感で1~2割ほどの車に使用している」ほど、なくてはならない塗料だ。
ある車体整備工場では4月中旬に入り、通常の仕入れ先からの同色の供給が滞り、在庫が欠品した。異なる仕入れ先からの代替調達にめどがついたため、入庫済みの車両の整備の作業は対応できるという。しかし、供給が早期に回復しなければ事態がさらに深刻化しかねなくなっている。当初の想定よりも早く塗料の不足感が高まっているもようだ。
シンナー不足も継続している。この車体整備事業者では、希釈用シンナーの総量はある程度在庫を確保できているという。ただ、希釈用は気温によって使い分ける必要があるが、今の時期に必要な標準用が足りないという。納品量が発注に満たない状況が続いており、やりくりしながら作業を続けている。
また、車体整備工場の中でも、規模が小さくなるほど塗料やシンナーの在庫量が少なくなる。こうしたところから、大手事業者に「『在庫不足のため顧客の車を代わりに面倒みてほしい』という話も来ている」とし、厳しい実態の整備工場も出ているようだ。
赤澤亮正経済産業相は4月14日の閣議後会見で、原料の調達不安からシンナーの生産・出荷量を抑えていた塗料メーカーに生産抑制を控えるように要請したことを明らかにした。多くの車体整備事業者が早期の供給回復を望む中、赤澤経産相は「目詰まりは解消に向かう見込みだ」との見通しを示している。
日刊自動車新聞4月21日掲載












