2026年4月1日
人事
〈2026年4月からこう変わる〉自動車メーカー相次ぎトップ交代 自転車にも「青切符」導入
4月から自動車業界でも税金などの制度や法令が改まり、トヨタ自動車や三菱自動車のほか、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスを傘下に持つ「アーチオン」などで新たな執行体制が始動した。ホンダは四輪車の研究開発機能を6年ぶりに本田技術研究所へ戻し、技術畑で社長候補の1人と目される秋和利祐氏を研究所のトップに据えて競争力の回復を急ぐ。小売りでは、ホンダ系やスバル系を中心に販売会社の広域統合が進んでいる。
自動車税制では、自動車税および軽自動車税にかかっていた「環境性能割」と、軽油引取税の「当分の間税率(旧暫定税率)」が廃止された。もっとも、暫定税率廃止の効果は中東情勢による油価の上昇で相殺されそうだ。自動車・軽自動車税のグリーン化特例は2年延長された。ただ、自動車・軽自動車税のあり方や、自家用乗用EVに上乗せされる「特例加算」の額(ともに2028年度以降)、新保有税構想の是非など多くの論点が先送りされており、今後の議論が注目される。
クリーンエネルギー自動車(CEV)補助金は、車載電池の国産化やレアアース(希土類)の安定調達などを重視するよう評価基準が改められる。トヨタやホンダ、スバル、マツダなどで補助額が高く維持される一方、電池国産化計画の認定を受けていない日産自動車やスズキ、比亜迪(BYD)などの補助額は下がるなど明暗が分かれそう。ただ、1月に電気自動車(EV)の補助上限額を引き上げたことで補助額が上がった車種のうち、4月から補助額が下がる車種については、消費者への不利益変更を避けるため、12月末まで現行の補助額を維持する。
環境規制では、年間10万トン以上の二酸化炭素(CO2)を出す大手300~400社を対象にした国のCO2排出量取引制度がスタートした。最終的にはCO2排出枠のオークション収入が「GX経済移行債」の償還財源に回る。
交通ルールでは、自転車に交通反則通告(青切符)制度が導入された一方、運転手不足に対応し、これまで手動変速(MT)だけだった大型、中型、準中型(2種含む)に自動変速(AT)免許が順次、導入される。
日野と三菱ふそうの持株会社、アーチオンも東証プライム市場に上場した。代表取締役CEO(最高経営責任者)には三菱ふそうのカール・デッペン社長、代表取締役CFO(最高財務責任者)は三菱ふそうのヘタル・ラリギ副社長CFOが担う。日野の小木曽聡社長は最高技術責任者(CTO)として開発を主導する。傘下の事業会社もトップが代わった。
このほかの自動車メーカーではトヨタと三菱自、いすゞ自動車で新社長が経営の舵取りを担う。トヨタの近健太氏は経理畑で豊田章男会長からの信頼も厚い。三菱自の岸浦恵介氏は海外事業に強く、いすゞの山口真宏氏は営業畑出身ながら近年はグループCFOを担っていた。いずれも実務派ぞろいで“トランプ関税”や中東問題、電動化やソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)対応など、激動の時代を着実に乗り切る考えだ。
小売りでは、販売会社のグループ再編や広域統合が続く。特に歴史的な経緯から販売規模に比べ販売法人数が多いホンダ系、先行きをにらんでメーカー主導で統合を進めるスバル系で目立つ。一方、足元では日野が国内の直営販売会社を台湾の和泰汽車に売却したり、神奈川のトヨタ系のウエインズグループがマレーシアに進出するなどの動きもある。
もっとも今、業界として最大の関心事は中東情勢だろう。中東向け新車輸出の見合わせや原材料の調達懸念などがすでに顕在化しているが、原油不足が長引けば自動車産業はもちろん、日本経済や暮らしを直撃することは必至だ。各社は情勢を注視しつつ、影響を何とか最小化しようと対応に乗り出している。
| カテゴリー | 人事 |
|---|---|
| 対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞 4月1日掲載















