2026年3月25日
〈トップインタビュー2026〉全国軽自動車販売協会連合会、赤間俊一会長 高くとも買ってもらえる軽の魅力を伝える
ダイハツ工業の認証不正の影響も緩和し、正常化しつつある軽自動車業界。2025年の新車販売台数は、約167万台(前年比7.0%増)と増加した。ただ、コロナ禍前の19年の実績(191万台)にはまだ遠い。全国軽自動車販売協会連合会(全軽自協)の赤間俊一会長に、軽市場回復への道筋を聞いた。
―25年は軽市場が伸びた
「前半戦はダイハツの(認証不正の問題による)反動もあって良かったが、後半戦はあまり芳しくなかった。ホンダ『N-BOX(エヌボックス)』やスズキ『スペーシア』の新車効果が落ち着いてきたことが一因だ。とはいえ、多くの販売会社が安定的に経営できていると思う。管理客をしっかり呼び込んで、点検や車検を提供できている」
―軽の価格も高くなっている
「売れ筋のスーパーハイト系のモデルについては、250万円ほど出さなければ買えないような時代になってきた。車種によっては300万円を超えるようなものもある。かといって、安いモデルが売れているわけではなく、やはりスーパーハイト系ワゴンを求める顧客が多い。軽が高いと言っている人のうち、本当に車を買おうとしている顧客はどれくらいいるのか。良いものは高くとも買ってもらえる。その魅力を伝えるのが販社の役割だ」
―26年の軽市場の見通しは
「具体的な数字はないが、前年よりも増やしたい。ただ、売れ筋商品のモデルサイクルを考えると、新型車が多い年ではないとみられる。新商品で市場を盛り上げられる可能性は高くない」
―自動車税環境性能割の廃止の影響は
「良い影響はあると思う。ただ、実態としては、もともと軽の半分が環境性能割の非課税枠になっている。メーカーによっては、7割ほどが非課税のケースもある。このため、どれほど販売に良い影響を与えるかは読みにくい。一方、環境性能割の廃止で、販売構成比が変わる可能性もある。例えば、環境性能割の課税対象になることが多いターボ車は、制度導入後に受注割合が低下していた。こうしたモデルが盛り返すきっかけになるかもしれない」
―軽の電気自動車(EV)もラインアップが増え始めた
「商用EVについては法人を中心に需要があり、都内では海外製のEVを使った営業車もそれなりに見掛けるようになってきた。販売台数が増えるのはまだこれからと思われるが、EVに限らず、軽のニュースが増えるのは良いことだ」
―中国・比亜迪(BYD)も26年に軽EVを投入する
「BYDの軽は、売れ筋のスーパーハイト系ワゴンであることに加えて、ヤナセなど取扱店も積極的に増やしている。BYDの軽EVを購入するユーザーが少なくないだろうと思う。さまざまなブランド同士で、良い競争をしていくことがEVの普及につながるのではないか」
―BYDの販社は全軽自協の会員に入ることができるのか
「軽に関連する制度の情報を共有していくためにも、BYD(BYDオートジャパン)を通じて系列販社に加入を勧めている。また、BYDにも他の自動車メーカーと同じように、特別会員になってもらいたいと考えている。入ってもらえるのであれば、軽の規格を守る仲間の1社として歓迎したい」
―登録車より後になる見通しだが、保有台数のピークアウトを迎える時期が迫っている
「新車販売や平均車齢の状況を考えると、30年ごろには保有台数が減少し始めてもおかしくない。販社ではこれを見据え、管理費を下げるなど準備を進めていく必要がある」
―軽が主力の2系列では登録車中心の販社と比べて広域化が進んでいない
「スズキやダイハツは広域化していないが、業界全体の流れとして保有の減少期を見据えると、選択肢の一つになるだろう。また、軽の場合は業販店に販売ネットワーク上の重要な役割があるが、ここも経営者の高齢化などの課題も抱える。このため、販社が拠点を置きにくい郡部などのユーザーを守っていくためにも、中核となる業販店を育てる必要性が高まっている」
〈プロフィル〉あかま・しんいち 1981年3月法政大学経営学部卒、鈴木自動車工業(現スズキ)入社。渉外担当などを経て2015年7月東京支店長。19年6月常務役員東京支店長、21年4月参与。スズキ自販東京の会長を兼務する。全軽自協では21年6月から現職。1958年5月生まれ、67歳。
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞3月25日掲載












